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12シーズン目となる「ウマニティPOG2023」もいよいよラストウィークに突入しました。今週末5月26日のダービーデー終了とともに各ワールドチャンピオンが確定します。例年と同じく「特報! POGニュース」第2回で最終結果の解説を行う予定です。
来週からは通算13シーズン目の「ウマニティPOG2024」がスタートします。新しいシーズンが間近に迫り、指名馬選びも大詰めかと思います。公開中の「カラーパドック」「プロの指名馬」などの確認はお済でしょうか。
例年通り、第1回の本稿では、指名候補の絞り込みに役立ちそうなデータを、ご紹介します。いわゆる「POG本」や2歳新馬の想定と見比べるだけでもさまざまな発見があると思いますので、ぜひご活用ください。
今回使用する表組を作成いただいた伊吹雅也氏から、データ集計方法に関するメッセージをいただきましたのでお伝えいたします。
「表組で紹介しているのは、現3~5歳の過去3世代における主要な種牡馬・生産者・調教師の勝ち馬率ならびに1頭あたり賞金です。集計方法は例年通りに
●集計対象は2歳時ならびに3歳時の年頭~2回中山&1回阪神閉幕週までに施行されたレース
●集計期間中に転厩となった馬の成績は、JRA初出走時に管理していた調教師の成績として算入
●収録対象は集計期間中の「勝馬頭数」が12頭以上だった種牡馬・生産者・調教師のうち、1頭あたり賞金が上位20位以内の種牡馬・生産者・調教師
としています。」
それでは早速、種牡馬別成績(表A)をご覧いただきましょう。
現2歳世代に直仔がいないディープインパクトらを除く、集計対象レースにおける勝馬頭数が12頭以上だった種牡馬に限ると、1頭あたりの賞金トップはスワーヴリチャード。昨年の新種牡馬ですが、コラソンビートが京王杯2歳Sで産駒の重賞初勝利を飾ると、暮れにはレガレイラがホープフルSでG1初制覇を決めました。今年に入ってもスウィープフィートがチューリップ賞、アドマイヤベルがフローラSを勝つなど、快進撃が続きます。スワーヴリチャード自身は晩成血統と言われるハーツクライ産駒で、古馬になり本格化した印象があるだけに、産駒の早期活躍には驚かされますね。勝ち上がり率も高く、今後も注目の存在になりそうです。
勝ち馬率と1頭あたり賞金のバランスを考えると、スワーヴリチャード、グレーターロンドン、キズナ、エピファネイア、キタサンブラックなどが、勝ち馬率30%、かつ1頭あたり賞金500万円以上となっています。昨年の「伊吹雅也のPOG分析室」内でも指摘あったように、キングカメハメハやディープインパクトの直仔がいなくなり、種牡馬による絞り込みの難しさは加速していくかもしれません。
一方、低調に終わったのがデクラレーションオブウォー。前年比で勝ち馬率25%→22%、1頭あたり賞金608万円→456万円と数字を落としています。勝ち馬率が物足りないまま、重賞で目立った成果を上げられず、1頭あたり賞金も大きく下降しました。新種牡馬の台頭も見られるなか、巻き返しなるでしょうか。
続いて、生産者別成績(表B)をご覧いただこうと思います。
集計対象レースにおける勝馬頭数が12頭以上だった生産者に限ると、1頭あたり賞金のトップはGodolphin。勝ち馬率も水準以上ですが、出走頭数は35頭と少なめです。母数を考慮すれば、やはりノーザンファームの存在は揺るがないでしょう。例年通り「まずノーザンファーム生産馬を徹底的にチェックする」「余裕があれば他のブリーダーにも目を向けてみる」という形がスタンダードかもしれませんね。
ノーザンファームを除き、比較的出走頭数が多く、1頭あたり賞金・勝ち馬率が高水準なのは下河辺牧場、ノースヒルズといったあたり。下河辺牧場は坂路の延長やトレッドミルの導入など、環境面の充実が好調につながっているようです。ノースヒルズは生産馬のラムジェットが先月末のユニコーンSを勝つなど、現3歳世代の健闘も見られます。ノーザンファームに次ぐブリーダーとして、注目しておきたいところです。
最後にご覧いただくのは、調教師別成績(表C)です。
集計対象レースにおける勝馬頭数が12頭以上だった調教師に限ると、1頭あたり賞金のトップは高野友和調教師。現3歳世代の管理馬では、ジャンタルマンタルが2023年のデイリー杯2歳S1着、朝日杯FS1着、2024年の共同通信杯2着、皐月賞3着、NHKマイルC1着と、目覚ましい活躍を見せています。勝ち馬率に関しても、前年比で38%→51%と大きく上昇していました。
そのほか、1頭あたり賞金と勝ち馬率のバランスが良い、木村哲也調教師、友道康夫調教師へも高い評価が必要でしょう。この3名の調教師がやや数字面では上ですが、上位の調教師の顔ぶれに大きな変化はありません。トップランカーを評価しつつ、新興勢力をどう位置付けるかもポイントになりそうです。
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