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雨で湿ったウッドチップもなんのその。内からグイグイ伸びるその姿に急上昇中の勢いが明らかだった。天皇賞・秋11着からジャパンC3着へと激変したトーセンジョーダンが、さらに良化を示す動きで好調をアピールした。
「いい動きでしたね。一昨年(5着)は下降気味の状態だったけど、今年は上向きで出走できますよ」
追い切りを見届けた池江調教師も、思わず頬が緩むほどジョーダンの走りは際立っていた。しとしとと冷たい雨が降り続く栗東のCWコースで、ロードランパート(1000万下)とトゥザグローリー(OP)を追いかけて最後方から。直線で内に入ると伸びあぐねる2頭を尻目に力強い脚取り。鞍上のムチに応えてゴール前でグイッと2頭に1馬身先着した。良馬場とはいえ雨の影響のある馬場で6ハロン83秒8、3ハロン38秒9-12秒5は合格点だ。
「前向きさがあるけど力んでいないし、乗り手のいうことを聞いてくれる。有馬記念に向けてスタッフの方がしっかり仕上げているんだな、と感じました」
手綱を取った中井騎手(レースは内田騎手)が興奮気味に話すほどの充実ぶり。一昨年の天皇賞・秋をレコード勝ちして以降は、なかなか勝ち星に恵まれず、今年は札幌記念13着、天皇賞・秋11着と散々な成績。それが前走のジャパンCではジェンティルドンナとデニムアンドルビーのハナ+クビ差の接戦に持ち込んだ。池江師は「もともと能力が高いですから。状態さえ良ければあれぐらい走っていい」と驚いていないが、今回はさらに雰囲気はいい。
中山では5戦3勝で負けた2戦はどちらも有馬記念の5着。オルフェーヴルを脅かすのは同厩舎の中にいる。円熟の7歳馬トーセンジョーダンが3度目の正直でグランプリホースの座を狙っている。 (柴田章利)
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