16日の東京11Rで行われた第18回
東京スポーツ杯2歳ステークス(2歳オープン、GIII、芝1800メートル、15頭立て、1着賞金=3200万円)は、
蛯名正義騎手騎乗の2番人気
イスラボニータ(牡、美浦・
栗田博憲厩舎)が最内から抜け出して重賞初Vを飾った。勝ちタイムの1分45秒9(良)は、昨年の
コディーノがマークしたタイムを0秒1塗り替える芝1800メートルの2歳日本レコード。
評判の関西馬を寄せ付けず、追いすがる地方の星も退けて、最内から鮮やかに突き抜けた。レース巧者らしい走りで重賞初制覇を成し遂げたのは
イスラボニータ。実績上位にもかかわらず2番人気に甘んじた評価をあざ笑うように、きっちりと結果を出してみせた。
レースは
オールステイが引っ張る展開で、2番手に
ウインマーレライ。この後ろを
イスラボニータと
プレイアンドリアルが追走して、断然人気に推された
サトノアラジンは中団の外からレースを進める。よどみない流れで馬群は縦長になるが、好位を追走した
イスラボニータと
プレイアンドリアルは手応え十分。直線に向くと、先に
プレイアンドリアルが仕掛けて先頭に出るが、内から
イスラボニータも食い下がる。外に持ち出した
サトノアラジンは目立った伸びが見られず、その内に馬体を併せた
クラリティシチーに脚いろでは見劣った。ゴール前は結局、内の2頭の争いとなり、叩き合いから力強く伸びた
イスラボニータが先着。見事に重賞制覇を果たした。クビ差2着はホッカイドウ競馬から挑戦してきた4番人気
プレイアンドリアルで、さらに1馬身1/4差の3着には外から伸びた5番人気
クラリティシチーが入っている。
イスラボニータは、父
フジキセキ、母イスラコジーン、母の父Cozzeneという血統。北海道浦河町・(有)社台コーポレーション白老ファームの生産馬で、(有)社台レースホースの所有馬。通算成績は4戦3勝。重賞初勝利。
栗田博憲調教師は
東京スポーツ杯2歳S初勝利。
蛯名正義騎手は1999年
ジョウテンブレーヴ、04年
スムースバリトン、08年
ナカヤマフェスタに次いで4勝目。
蛯名騎手は「前回から競馬はスムーズにできるようになってきましたが、行きたがる面も出てきたので、あまり出していかないようにしていました。スタートがいい馬なので、今回も少し(ハミを)噛み気味になりましたが、何とか我慢してくれました。相手もしぶとかったですが、追うのを待つだけの余裕がありました。非常にフットワークのいい馬ですね。距離が延びると、今のところは行きたがる面があるので、折り合って走れればいいかな、と思います。(クラシックについては)これから分かってくるでしょう。素質が十分あることは証明できたと思いますから」と慎重に課題を指摘しつつも能力の高さを証明できたことには納得の口ぶりだった。
★16日東京11R「
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