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天皇賞（春）データ分析
国内G1のなかでも、長い歴史と伝統を誇る天皇賞（春）。2014年以降（2021～2022年は阪神で施行）の1～2着馬の前走着順を検証すると、延べ20頭中15頭が3着以内からの臨戦馬となっている。好調馬がそのまま結果を残す傾向の強いレースだ。ちなみに、例外の5頭は前年の天皇賞（春）でも3着以内に好走していた。前走で複勝圏を逃していた馬は、かなりの舞台実績がないと勝ち負けに持ち込むことは難しい。前走レース別では、大阪杯、日経賞、阪神大賞典の三つ巴。1～3着馬延べ30頭のうち、じつに23頭を占めている。なかでも、これら3重賞の連対（2着以内）馬に絞ると好走率がぐんと上昇するので、軸馬はここから選ぶようにしたい。天皇賞（春）の舞台となる京都芝3200mは、外回りコースを約1周半するレイアウト。最初のホームストレッチで、いかに折り合いをつけられるかが勝敗に大きくかかわってくる。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）
【人気】
過去20年、1番人気の複勝率は40%と頼りない成績。2017年から2022年にかけては2着連対圏を確保しており、潮目が変わりつつあるのは確かだが、2009～2016年の間は8年連続で複勝圏外に沈み、2023年も単勝オッズ1倍台のタイトルホルダーが競走中止となったように、まだまだ予断を許さない状況といえる。ただし、2～4番人気が1番人気の不振をカバーする成績を残しており、決して人気サイドが弱いわけではないことは覚えておきたい。人気薄については、中穴から大穴までまんべんなく絡んでいる印象。特に目立つのは10番人気以下の強さで、勝ち馬4頭を含む11頭が3着以内に食い込み、単勝&複勝回収率は100%を超えている。軸馬の選定に悩むようであれば、フルスイングのホームラン狙いもありだ。
◆人気別成績（過去20年）
| 人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1番人気 | 4-3-1-12 | 20.0% | 35.0% | 40.0% | 40.5% | 52.5% |
| 2番人気 | 8-2-2-8 | 40.0% | 50.0% | 60.0% | 204.5% | 127.0% |
| 3番人気 | 2-4-1-13 | 10.0% | 30.0% | 35.0% | 55.0% | 108.0% |
| 4番人気 | 1-4-6-9 | 5.0% | 25.0% | 55.0% | 57.5% | 145.5% |
| 5番人気 | 0-1-3-16 | 0.0% | 5.0% | 20.0% | 0.0% | 84.5% |
| 6～9番人気 | 1-2-4-73 | 1.3% | 3.8% | 8.8% | 21.1% | 56.8% |
| 10番人気以下 | 4-4-3-148 | 2.5% | 5.0% | 6.9% | 196.4% | 110.4% |
◆単勝オッズ別成績（過去20年）
| 単勝オッズ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.9倍以下 | 1-0-0-4 | 20.0% | 20.0% | 20.0% | 22.0% | 22.0% |
| 2.0～2.9倍 | 3-1-1-2 | 42.9% | 57.1% | 71.4% | 100.0% | 88.6% |
| 3.0～4.9倍 | 5-3-1-11 | 25.0% | 40.0% | 45.0% | 114.0% | 81.0% |
| 5.0～7.9倍 | 5-4-3-17 | 17.2% | 31.0% | 41.4% | 100.3% | 99.7% |
| 8.0～14.9倍 | 1-6-8-32 | 2.1% | 14.9% | 31.9% | 24.5% | 107.7% |
| 15.0～19.9倍 | 1-0-0-12 | 7.7% | 7.7% | 7.7% | 130.0% | 42.3% |
| 20.0～49.9倍 | 2-4-4-58 | 2.9% | 8.8% | 14.7% | 120.0% | 131.3% |
| 50.0倍以上 | 2-2-3-143 | 1.3% | 2.7% | 4.7% | 153.7% | 84.5% |
◆配当（過去10年）
| 馬券種 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 1,150円 | 200円 | 480円 |
| 複勝 | 1,470円 | 110円 | 353円 |
| 枠連 | 6,650円 | 450円 | 1,735円 |
| 馬連 | 20,160円 | 520円 | 4,338円 |
| ワイド | 7,840円 | 140円 | 1,959円 |
| 馬単 | 29,950円 | 1,230円 | 6,736円 |
| 3連複 | 57,160円 | 610円 | 17,807円 |
| 3連単 | 242,730円 | 3,780円 | 89,347円 |
【脚質】
過去20年の脚質別成績を確認すると、完全に「逃げ・先行有利」の様相。2014年以降だけを見ても、最終4角9番手以下の位置取りから勝利した馬は2018年のレインボーラインしかおらず、2着連対も1頭のみ。想像以上に「前がとまりそうでとまらない」ということは、強く意識しておくべきだ。一方で、上がり3ハロンタイム最速馬が【5.1.2.3】の好成績を残しているように、それ相当の決め脚は要求される。しかし、その脚を後方から使ったのでは2～3着が精一杯。最悪でも中団に取り付いていないと、1着突き抜けまでは難しい。
◆脚質別成績（過去20年）
| 脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 4-0-1-20 | 16.0% | 16.0% | 20.0% | 960.0% | 258.0% |
| 先行 | 9-16-9-45 | 11.4% | 31.6% | 43.0% | 98.0% | 219.7% |
| 差し | 7-4-10-121 | 4.9% | 7.7% | 14.8% | 58.6% | 60.8% |
| 追込 | 0-0-0-93 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
【枠順】
枠順については「内枠有利」がこのレースの基本。長丁場ゆえに「とくに枠順は関係ない」という考え方もあるかも知れないが、それでも内優勢の結果になるのが天皇賞（春）だ。別表の枠順別成績を見ればわかるように、内枠（1～3枠）と外枠（6～8枠）を比較すると、単勝回収率にはなんとダブルスコア以上の大差がついている。内枠というだけで人気になりやすいデメリットこそあるが、それを踏まえても内寄りの馬から入るべきだろう。傾向として面白いのは、中枠である4枠の単勝回収率や5枠の複勝回収率が振るわないところ。要は上位人気が額面どおりの結果を残せていないことに加え、伏兵の出番も少ないということである。ゆえに中枠を引いた馬は、過大評価しないほうがいい。
◆枠順別成績（過去20年）
| 枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 7-1-2-27 | 18.9% | 21.6% | 27.0% | 653.0% | 205.9% |
| 2枠 | 1-2-3-31 | 2.7% | 8.1% | 16.2% | 5.9% | 142.7% |
| 3枠 | 3-1-1-34 | 7.7% | 10.3% | 12.8% | 209.5% | 104.6% |
| 4枠 | 2-2-5-31 | 5.0% | 10.0% | 22.5% | 31.5% | 78.8% |
| 5枠 | 1-2-0-37 | 2.5% | 7.5% | 7.5% | 87.8% | 35.3% |
| 6枠 | 2-4-4-30 | 5.0% | 15.0% | 25.0% | 29.8% | 68.5% |
| 7枠 | 1-2-2-45 | 2.0% | 6.0% | 10.0% | 5.6% | 57.8% |
| 8枠 | 3-6-3-44 | 5.4% | 16.1% | 21.4% | 22.7% | 94.3% |
【血統】
京都開催時はディープインパクト（その全兄ブラックタイド）、ステイゴールド、ハーツクライの三つ巴状態が続いており、これらの系統に属さない馬の連対例は2012年まで遡らなければならないほど。なお、京都競馬場改修直後の2023年も、1着ジャスティンパレス（父ディープインパクト）、2着ディープボンド（父キズナ）、3着シルヴァーソニック（父オルフェーヴル）と条件を満たす馬たちで上位を占めていた。ちなみに、種牡馬としてステイゴールドとディープインパクトは4勝を挙げており、これはサンデーサイレンスと並ぶ天皇賞（春）の最多勝タイ記録でもある（京都芝3200mのコース全般における種牡馬別成績は下記のとおり）。
◆同コース種牡馬別成績（京都競馬場／芝／3200m／過去5年）集計期間：2018/04/30～2023/04/30
| 位 | 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ディープインパクト | 3-1-0-7 | 27.3% | 36.4% | 36.4% | 82.7% | 69.1% |
| 2 | ステイゴールド | 0-1-1-2 | 0.0% | 25.0% | 50.0% | 0.0% | 365.0% |
| 3 | キズナ | 0-1-0-0 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0.0% | 370.0% |
| 4 | オルフェーヴル | 0-0-1-4 | 0.0% | 0.0% | 20.0% | 0.0% | 80.0% |
| 5 | トーセンホマレボシ | 0-0-1-0 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0.0% | 290.0% |
| 6 | ハーツクライ | 0-0-0-3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 7 | キングカメハメハ | 0-0-0-2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 8 | ルーラーシップ | 0-0-0-2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 9 | ローエングリン | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 10 | ノヴェリスト | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
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