第52回
アルゼンチン共和国杯(9日、東京11R、GII、3歳上オープン国際(指)、ハンデ、芝2500メートル、1着本賞金5500万円 =出走18頭)2番人気の
フェイムゲームが中団から力強く伸び、2着の4番人気
クリールカイザーに2馬身半差をつけて快勝。重賞3勝目をマークした。
北村宏司騎手(34)=美・フリー=は前週の天皇賞・秋を
スピルバーグで制しており、2週連続の重賞V。2年連続2度目のJRA年間100勝も達成した。タイム2分30秒5(良)。3着は3番人気
スーパームーンで、1番人気
ホッコーブレーヴは14着に沈んだ。
直線の長い府中で自慢の末脚を爆発させた。
フェイムゲームが馬場の真ん中から豪快に突き抜けて、初のGIIタイトルを獲得。北村宏騎手は、GI戦線を戦った春の経験を糧に成長したパートナーをたたえる。
「進路が開かず四苦八苦したが、馬が頑張ってくれました。気持ちを前に向けるのに苦労してきた馬だが、きょうは一生懸命走ってくれた」
道中は中団のイン。なかなかスペースができず動けなかったが、4コーナーで内をさばいていくと、メンバー最速の上がり3ハロン34秒0の末脚を繰り出し、粘る
クリールカイザーを捕らえた。
直線半ばで外に進路を切り替え、
クリールカイザーと
ラブリーデイの間に誘導したのは、デビュー5戦目からコンビを組んでいるパートナーを熟知しているからこそ。宗像調教師は「馬が近くにいる方が闘争心を出すタイプ。うまく乗ってくれた」と満面の笑みだ。
北村宏騎手自身、デビュー16年目の今年は充実ぶりが目立つ。2日の天皇賞・秋で、2006年の
ヴィクトリアマイル(
ダンスインザムード)に次ぐ8年ぶり2度目のGI制覇を達成したばかりで、2000年(
新潟記念→新潟3歳S)以来となる自身2度目の2週連続重賞V。2年連続2度目となるJRA年間100勝にも到達した。
京成杯、
ダイヤモンドSに続く重賞3勝目を飾った
フェイムゲームも充実一途だ。次走には
ジャパンC(30日、東京、GI、芝2400メートル)、
ステイヤーズS(12月6日、中山、GII、芝3600メートル)、
有馬記念(12月28日、中山、GI、芝2500メートル)が選択肢に入っている。終盤の競馬を大いに盛り上げてくれるに違いない。 (板津雄志)