今年の3歳世代の新馬戦は2月20日をもって終了。翌週からは初出走馬も既走馬相手の未勝利戦に出走するしか選択肢がなくなったが、それに伴って3歳未勝利戦のレース数も増えた。今週の中山を例にとれば土日24レースのうち10レースが3歳未勝利で、全体の3分の1以上を占めている。
新馬戦が無くなった後の3歳未勝利は出走馬のキャリア差が大きく、レース数が多くて対戦経験が少ない分、力の比較も難しい。そのせいか、まだ新馬戦が行われていた時期と比べれば、人気馬の信頼度が低く配当的にも荒れやすい傾向があり、馬券的な面白みも大きい。
馬券的に面白いこの時期の3歳未勝利戦を当てるための重要なポイントは一にも二にも「キャリア」。言い換えればそれまでに出走したレースの数だ。〝いきなりの既走馬相手〟という高いハードルを乗り越えて初出走馬もよく馬券に絡むが、とにかく新馬戦が終わった後のこの時期の未勝利戦はキャリアの浅い馬を狙うべきだ。
先週(3月5日、6日)は中山と阪神で18レースの3歳未勝利戦が行われたが、そこで馬券に絡んだ(3着以内)54頭のうち29頭が初出走馬を6頭含む、キャリア2戦以下の馬だった。先週のこのコラムで推奨し6番人気1着だった土曜中山5Rのクイーンドライブもキャリアは2戦であのレースで3戦目だった。さらに2着の7番人気サクラオーラは初出走で、3着の4番人気モリノドリームはキャリア2戦。キャリア2戦以下の3頭が単勝2320円、馬単6万430円、3連複5万1270円、3連単47万4410円という高配当を演出してくれた。
この時期の3歳未勝利でキャリアを積んでいるということは、いくら好着順が続いていても決定力の無さ、勝ちみの遅さの証明ともいえる。逆にこの時期に来てもまだキャリアが浅い馬たちは、成長の遅れや故障といった何らかの事情でデビューが遅れたり、休養が長引いたりしたが、そのぶん今後の大きな伸びしろが見込めるという馬も数多い。2回中京開催がスタートする今週は3場(中山、阪神、中京)で29レースも3歳未勝利という「穴の宝庫」がめじろ押しだ。基本は「キャリア2戦以下」。キャリアの浅い馬を積極的に狙い、高配当ゲットを目指したい。
中京2R(9)エリザベスミノル
キャリアは1戦。下級条件のダートでは芝以上の堅実味を見せるドゥラメンテ産駒。初戦はラストの加速力の差で後れをとったが、血統的にもダートで変身する下地は十分。牝馬同士の手薄なこの組み合わせなら狙える。
単勝(9)。馬単(9)→(1)(3)(4)(7)(8)(10)(12)。ワイド(9)-(1)(7)(8)
中山2R(7)ハクサンセーラー
キャリアは2戦。今回と同じ舞台(中山ダ1200メートル)の新馬では、外枠ながらコーナーワークで内に潜り込み初めてのレースとは思えない立ち回りを見せて2着に好走。同じ日の未勝利戦の勝ちタイムが1分12秒2。それと初戦でコンマ7秒差ならタイム的にも十分評価に値する。前走も先行力は見せたが流れが厳しく、しかも直線が長い東京コース。最後は失速したが、条件が合わなかったことが敗因の全て。初戦と同じ舞台に戻れば間違いなく挽回できる。
単勝(7)。3連複フォーメーション(7)-(9)(10)(14)(15)-(2)(3)(5)(9)(10)(14)(15)。ワイド(7)-(10)(14)(15)。
中京3R(14)ケカリネイアウ
キャリアは1戦。初戦は最後に体力不足な面を露呈したが、センスを感じるレース運びには見どころがあった。成長を促すために間隔をあけ、初戦時より調教も強化。血統的にも距離短縮、開幕週の軽い馬場は間違いなくプラス。人気になる前に狙ってみたい。
単勝(14)。3連複フォーメーション(14)-(3)(9)(15)(17)-(3)(4)(9)(11)(15)(17)(18)。ワイド(14)-(9)(11)(15)(17)。
中山4R(14)カンザシ
ここがデビュー戦。調教タイム、行きっぷりも含め、ここ2週で一気に良化。当初は芝を使う予定もあった馬だが、小気味よくスピード感のあるフットワークはこの条件でこそ生きそうだ。「普段の調教でも後ろから馬が来ると、がぜんやる気を出す馬。前に行ければ経験馬相手でも」と宮田敬介調教師のトーンもここにきて急上昇。初めてのレースだけに、キックバックの砂をかぶりにくい外めの枠が引けたこともいい材料だ。
単勝(14)。ワイド(14)-(2)(10)(12)(13)。