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今週は東京競馬場で、春の古馬牝No1を決めるヴィクトリアマイル(14日、GⅠ、芝1600メートル)が行われる。人気の白毛馬ソダシ(牝5)は、ここが今年初戦。管理する須貝尚介調教師(56)=栗東=を直撃し、昨秋のマイルCS(3着)以来、ぶっつけとなった経緯や、初コンビとなるダミアン・レーン騎手(29)=オーストラリア=への期待、5歳を迎えての変化などを聞いた。(聞き手・丸橋正宣)
──昨秋のマイルCSから約半年ぶり。デビュー以来最長の間隔での出走となる
「使うレースがなかったからね。今年はヴィクトリアマイルから安田記念を考えている。もしその前に1戦するとなると春3戦で、馬の負担も大きくなってしまう。こうして間隔をあけたことで、じっくりと仕上げることができた」
──その前走は、牡馬相手のGⅠで3着。改めてマイル適性の高さを示した
「(スタートで)立ち遅れてしまって、この馬の競馬ができていないことが敗因だと思う。阪神芝マイルということを考えても、本当は4コーナーでセーフティーリードを取る競馬が理想だった。そのなかでも3着にまとめるのだから、大したものだと思ったよ」
──3日の栗東CWコースでマークした6ハロン78秒8は自己ベスト
「本当にすごい時計が出たよね。体重の重い調教助手が乗ってこれだけの動きができているから、動ける態勢は整っているよ。当週追い切りはサラッと流す程度で十分じゃないかな」
──5歳シーズンを迎えて心身で成長を感じるところはあるか
「馬体は大きく変わってはないけれど、相変わらずしっかりしていて全体のバランスがいい。だから故障もないんだろうね。精神的にはやっぱりどっしりして、今まではアイドルだったのが女優になった感じ。心身のバランスがかみ合ってきた今なら、さらにいい走りができると思う」
──東京コースは距離が長かったオークスを除けば、芝ダートを問わず馬券圏内を外していない
「コース相性はそこまで気にしていないけれど、立ち回りひとつだと思う。前走で理想としていた、4コーナーで離す競馬は東京では違うかもしれないけれど、ワンターンのコース設定が一番競馬がしやすいのは間違いないだろうね」
──レーン騎手との初コンビでも注目を集める
「世界で活躍する一流騎手だからね。(4月26日の)追い切りに乗って『このようなスターホースに乗れて幸せ』と言ってくれたよ。どんな競馬をしてくれるか、すごく楽しみにしている」
──連覇も懸かる一戦。意気込みを
「(連覇については)偶然、(出走するレースが)ここだっただけで、特別に意識はしていない。でも女優になった今、ふさわしいGⅠの舞台があるなら、出ない意味がないからね。ファンが多い馬でもあるし、ここにまずは全力投球で頑張りたいね」
■須貝 尚介(すがい・なおすけ) 1966(昭和41)年6月3日生まれ、56歳。滋賀県出身。85年に騎手デビューし、JRA通算302勝(うち重賞4勝)。2008年に調教師免許を取得し、09年に栗東で開業。8日現在でJRA通算500勝(うち重賞49勝)。GⅠは桜花賞(ソダシ)など15勝。海外でも14年にGⅠ・ドバイデューティフリー(ジャスタウェイ)を制した。
★8日のソダシ
全休日の8日は、栗東トレセンの自厩舎で静養した。昨秋のマイルCS以来6カ月ぶりでキャリアで最も長い休養明けとなるが、3月9日に帰厩してじっくり調整されてきた。1週前追い切りでは7ハロン96秒2(6ハロン78秒8)―11秒4と長めから好時計をマーク。今浪厩務員は「しっかり乗り込めたし、結構強い調教もできました。順調にきているし、いつも通りのソダシです」と胸を張る。史上3頭目の連覇に向けて「何とか2連覇したいですね」と意気込んでいた。
★レーン騎手と初コンビ
デビューから14戦で吉田隼騎手が騎乗してきたソダシだが、今回は新たにレーン騎手とコンビを組む。オーストラリアを拠点に世界で活躍しており、日本では2019年から短期免許で騎乗して、128勝(うちGⅠ4勝を含む重賞12勝)をマーク。今年は4月15日から日本で騎乗し、17勝、勝率・288、連対率・373。ヴィクトリアマイルは19年に5番人気のノームコアで勝っている、腕利きだ。
★年明け初戦で勝ったのはアーモンドアイだけ
ヴィクトリアマイルが年明け初戦だった馬は過去に9頭いる。うち勝ったのは2020年のアーモンドアイだけ。07年カワカミプリンセスや19年ソウルスターリング、20年ラヴズオンリーユー、22年デアリングタクトといったGⅠ実績のある強豪でも苦戦した。ちなみにソダシが勝てば14年ヴィルシーナ、16年ストレイトガールに続く史上3頭目の連覇となる。
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