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86年メジロデュレン、90年メジロマックイーン、05年ディープインパクトと現役最多の菊花賞3勝を挙げている栗東・池江泰郎調教師が今年はフォゲッタブル、ヤマニンウイスカーで参戦する。フォゲッタブルはセントライト記念3着で出走権をゲット、ヤマニンは抽選対象ながら長距離向きで、2頭とも父は菊花賞馬。トレーナーは菊4勝目に意欲満々だ。
父は96年菊花賞馬ダンスインザダーク、母は96年オークス、97年天皇賞・秋を制した女帝エアグルーヴという超一流の血脈を持つフォゲッタブルが、菊の舞台でようやく覚醒の時を迎える。
全休日明けの火曜は栗東トレセンの坂路1本→ポリトラックでキャンター調整。セントライト記念3着の疲れもすっかり抜けて、コンディションは『MAX』に近づきつつある。「中間もいい感じだよ。3着で権利が獲れて何より。4着じゃ夢も見られんからね。馬体や気性も少しずつ大人になってきたし、血統面はもちろん、資質や走法を見ても3000メートルはこの馬にとって味方になる」と充実ぶりが顕著な愛馬に池江郎師も菊4勝目への意欲を見せる。
師に初めてGIをもたらしたメジロデュレンが15日に26歳で亡くなった。「デュレンはダービーの頃はまだ未勝利を勝ったばかりだったが、半年後の菊花賞では(ダービー馬の)ダイナガリバーを負かしてくれた。この馬も半年で同じように変わってきた」と、フォゲッタブルにも格段の進化を感じている。
調教が終わって馬房内に入ると、ゴロンと横になって完全にリラックスモード。余計なストレスを溜めない術を馬自身が分かっている。無敗3冠馬ディープインパクトを担当した市川厩務員によると、去年の今頃は入厩していたが、まだ調教で速いところもやれていなかった。「デビューしてからも追い切りであまり動けなかったのが、2走前の新潟戦(阿賀野川特別2着)の頃から指示された時計で走れるようにもなってきた。精神的な逞しさはディープインパクト並みのものを持っているし、距離延長、京都コースなど菊花賞に向けてマイナスになるものは何ひとつない」と上位争いを意識する。
父ダンスが、厩舎の偉大な先輩ディープがケタ違いの瞬発力を駆使して駆け抜けたクラシック最終戦の菊獲り物語。フォゲッタブルが春の勢力図を一気に塗り替える。(片岡良典)
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