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【凱旋門賞】レース展望

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【凱旋門賞】レース展望

 ◇おことわり 海外の馬券発売開始にともない、今年の凱旋門賞の舞台である競馬場名について「シャンティー」を「シャンティイ」とするなど、JRAの発表通りに表記します。

 今週末はいよいよ、日本競馬が新たなステージに突入する。海外競馬の馬券が発売開始となり、その第1弾が仏GI・凱旋門賞(10月2日、シャンティイ、芝2400メートル)。JRAのネット投票会員のみ購入可能で、オッズは日本独自のものとなる。券種は単勝、複勝、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単の7種類。枠連、WIN5の発売は行われない。

 これまで、日本からのべ19頭が挑戦しながら、最高着順は2着(4度)にとどまり、厚い壁にはね返されてきた。今年は本来の施行場であるロンシャン競馬場が改修工事中のため、シャンティイ競馬場に舞台を移して開催される。規模ではロンシャンに劣るものの、荘厳なたたずまいの競馬場は大舞台にふさわしい。

 日本調教馬初の凱旋門賞制覇に向けて順調に調整されているのがマカヒキ(栗東・友道康夫厩舎、牡3歳)だ。日本ダービーで接戦をものにした後、渡仏が決定。受け入れ先は現地で開業している小林智厩舎で、担当する友道厩舎の大江祐輔調教助手もフランスの厩舎で勤務した経験があり、態勢づくりはスムーズに運んだ。ステップレースのGIIニエル賞では、初めての海外競馬と思えないほど落ち着き払った姿を見せ、レースでもスローペースにぴたりと折り合って快勝。少頭数やシャンティイのコースにも難なく対応し、上々の手応えをつかんだ。

 前走の反動もなく、中間は2本の追い切りを消化。中2週ながら緩めることなく乗り込まれ、上積みも見込まれる。大江助手は「ニエル賞後はダメージもなく、早い段階で疲れも取れて調教を進めることができました。体に張りがあるし、動きもダイナミックでとても順調に仕上がってきています」と状態の良さに自信ありげだ。相手が一気に強化されるだけに楽観視はできないが、大いに期待を持てるだけの態勢は整った。父ディープインパクトがなし得なかった夢を実現させることができるか、日本中のファンの視線が集まる。

 その最大のライバルとして立ちはだかるのが、ポストポンド(イギリス=ロジャー・ヴェリアン厩舎、牡5歳)だ。昨年の英GI“キングジョージ”を制したときはフロック視する向きもあったが、そこからは破竹の快進撃。4つのGIを含む6連勝中で、3月のドバイシーマクラシックで日本のドゥラメンテに2馬身差で快勝したことを覚えているファンも多いだろう。レースぶりに安定感があり、死角は少ない。

 8戦無敗で前売り2番人気に推されていたフランスの牝馬ラクレソニエールが回避したことによって、3歳馬として注目されるのは英愛2カ国のダービーを制したハーザンド(アイルランド=ダーモット・ウェルド厩舎、牡3歳)になる。前走の愛チャンピオンSでは1番人気に推されたものの8着に大敗し、人気は後退した形だが、レース後に外傷を負っていたことが判明した。陣営は軽症だったことを公言しており、巻き返しがあっても不思議はない。

 現在、5戦連続でGI・2着という珍しい戦歴なのがファウンド(アイルランド=エイダン・オブライエン厩舎、牝4歳)だ。通算では9度もGI・2着があり、詰めの甘さがクローズアップされているが、昨年の米GIブリーダーズCターフでは凱旋門賞馬ゴールデンホーンを破っている。昨年のこのレース9着が唯一の着外だが、実力は折り紙付き。ここも上位争いに加わってくる可能性は高いだろう。

 サンクルー大賞、フォワ賞を連勝しているシルバーウェーヴ(フランス=パスカル・バリー厩舎、牡4歳)は、1999年の2着馬エルコンドルパサーと同じ足跡といえる。ただ、メンバーのレベルはやや疑問符が付くところ。コースを知り尽くすクリストフ・スミヨン騎手が騎乗する見込みで、その点が期待できる材料となる。

 昨年の3着馬ニューベイ(フランス=アンドレ・ファーブル厩舎、牡4歳)は、今期3戦してGIIIゴントービロン賞の1勝のみ。やや伸び悩みの印象は拭えないが、消耗が少ないローテーションで使われている点は見逃せない。史上最多の凱旋門賞7勝を挙げている名伯楽・ファーブル調教師の仕上げが見ものだ。

 ディアヌ賞でラクレソニエールに半馬身およばず敗れたレフトハンド(フランス=カルロス・ラフォンパリアス厩舎、牝3歳)は、その後にGIIIプシュケ賞、GIヴェルメイユ賞を連勝した。ここに来ての地力強化が目立ち、ドバウィ×シングスピールという血統背景からも上位争いに加わって不思議はない。

 早くから凱旋門賞を視野に入れていたドイツ馬サヴォワヴィーヴル(ジャン・ピエール・カルヴァロ厩舎、牡3歳)は、前走のGIIドーヴィル大賞で逃げ切り勝ち。レースぶりに幅があり、不気味なムードをかもし出している。

 このほかにも、戦歴にむらがあるとはいえ今年の“キングジョージ”を勝っているハイランドリール(アイルランド=エイダン・オブライエン厩舎、牡4歳)、堅実な戦績を残しているファッシネイティングロック(アイルランド=ダーモット・ウェルド厩舎、牡5歳)など興味深い伏兵陣も出走予定馬に名を連ねている。最終的にメンバーが確定するのは日本時間29日で、枠順が確定するのは同30日の夜。さまざまな意味で歴史的な一戦となるのか、胸躍る大レースが刻一刻と近付いている。

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