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今年はフリオーソやトランセンドといった強力な先行馬の参戦で、例年以上のハイペースになる可能性が大。そうなれば追い込み馬の出番だ。展開を味方に末脚自慢のシルクメビウスが、待望のGI制覇を狙う。
過去GIで(2)(2)(4)(5)(5)着。シルクメビウスにとって、届きそうで届かないタイトルだが、今回は流れが向いてきそうだ。
一昨年のJCダート(2着)では破竹の勢いのエスポワールシチーに後方から目の覚めるような末脚で迫り、昨年の東海Sではトランセンドを、ブリーダーズGCではカネヒキリを差し切った豪脚の持ち主。しかし、昨年後半の前3走は、JBCクラシック、JCダート、東京大賞典と、この馬らしさを見せられないままに惜敗を続けている。
「どうも競馬場に移動してからイレ込む面が見られる。体が減っていなくても、馬が小さく見えたね。ただ、狭い場所でイライラするタイプだから、競馬場自体が広い東京なら大丈夫だと思う」
領家調教師は日本一大きな東京ダートでの巻き返しに自信をのぞかせる。今回はトランセンド、フリオーソ、コスモファントム、バーディバーディなど、先行脚質の馬がそろってハイペースは必至。長くて広い東京の直線ならば、メビウスの末脚をフルに発揮できる。
「昨年のJCダートは位置取りが後すぎた。でも今回はペースが速くなりそうなメンバーで、ユニコーンSを勝った東京のマイル戦。この馬の決め手を生かすにはもってこいの舞台だよ。一発あると思うよ」
不敵な笑みを見せるトレーナー。課題のイレ込み癖も、「無理に抑えるのでなく、ノビノビと走らせたい」と、この中間は距離の短い坂路での調教に切り替えて臨むことで、解消することを期待する。メンバー的に一、二を争う実力馬のシルクメビウス。悲願のGI奪取へ、今度こそ流れをつかんでみせる。(柴田章利)
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