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週末に行われる中央重賞の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、競馬の長い歴史の狭間できらめいた馬を紹介する「中央重賞懐古的回顧」。第62回は2013年のチューリップ賞優勝馬クロフネサプライズを取り上げる。
多くのケースで、トライアルレースとはあくまでトライアルレースである。前哨戦にて鮮やか極まりない勝ち方をしたとしても、それが本番で再現されるとは限らない。故に「トライアルホース」という言葉が存在するわけで。いにしえのイツセイからサンエイソロンと、昔からよくいるものだ。
クロフネサプライズは2歳G1における驚きのレースぶりによりまず勃興した。この2010年生まれのクロフネ産駒は、デビュー4戦目のりんどう賞を本命の落馬を尻目に逃げ切った後、阪神JFに挑戦。柴山雄一騎手を鞍上に挑んだ彼女は単勝15番人気に過ぎなかったが、ハイペースを2番手で追走した上で最後の最後までよく粘り、ローブティサージュとクビ差の2着に食い込んだ。父譲りの芦毛の馬体と快速ぶりを誇ったが、決して一介のスピード馬ではなかった。
翌2013年緒戦のG3(当時)・チューリップ賞。キレ味優先の阪神外回りの舞台にて、レッドオーヴァルやアユサンといったディープインパクトの娘たちや、先述の2歳女王ローブティサージュなど桜の女王の座を目指す面々を向こうに回し、新馬戦以来のコンビ再結成となった武豊騎手を背にクロフネサプライズがマイペースの逃げで3馬身半差の完勝。35秒9の入りでハナを奪い、且つ上がりの時計がメンバー中2番目ならばワンサイドゲームも仕方なかったし、道中2番手から雪崩れ込んだウインプリメーラとの末の差も歴然としていた。この立ち回りにより、クロフネサプライズの株は天井値に達した。
ただし、トライアルはあくまでトライアルだ。速さや強さは認めるにしても、同舞台の阪神JFと比較して楽な競馬になったことは事実。桜花賞の頃にはトラックバイアスも変化する。それにサニースワップスの牝系は芝G1では足りない馬ばかりなのだ。しかしこの年の3歳牝馬戦線には確固たる中心馬がいなかった。そうなるとセンターに押し出されるのは…桜花賞の1番人気は、やはりクロフネサプライズであった。G1からG1へ、15番人気から1番人気へ、89.9倍から2.8倍へ。テンバガーもいいとこだが、こうなるとマークも厳しくなる。
残念ながら、クロフネサプライズは本番でファンの期待に応えることはできなかった。本番・桜花賞では13番枠を引き、馬場傾向も変わっていた。武豊騎手もスタートからの立ち回りを思案したことだろうが、始まってみると内のサマリーズに先手を奪われ、片やクロフネサプライズは対応が後手後手に回りスムーズさを欠いてしまった。それでも勝ち馬アユサンから0.4秒差の4着というのは能力を証明したとも言えようが、当時の彼女はG1・4着で満足する馬ではなかったはずだ。しかし…。
気風よく逃げたオークスは距離不適もあり12着惨敗。この後膝の骨折が判明し、復帰後4戦したが往年の粘り腰が戻ることはついになかった。初ダートの阿蘇Sにて大敗を喫した後の2014年10月3日、最期の瞬間は突然訪れた。調教中の事故により召された彼女の姿は、まもなく人々の思い出の中にそっとしまい込まれた。
クロフネサプライズ
牝 芦毛 2010年生
父クロフネ 母アイアンブリッジ 母父トニービン
競走成績:中央12戦3勝
主な勝ち鞍:チューリップ賞
(文:古橋うなぎ)
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