エプソムCが14日、東京競馬場で18頭によって争われ、9番人気の
ダイワキャグニーが2番手から抜け出して重賞初勝利を飾った。勝ち星の8勝すべてが東京コースで、秋のGI戦線が楽しみだ。2着に5番人気の
ソーグリッタリング。3着に最低18番人気の
トーラスジェミニが逃げ粘り、3連単は421万9320円の大波乱となった。
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9番人気の
ダイワキャグニーが、13回目の挑戦で重賞初勝利。にこやかな表情で内田騎手は会心の騎乗を振り返った。
「ペースが速かったけど、自分の位置は確保しようと思っていました。ゴールまで突き抜けてくれと思いながら追っていました。(勝っても)“オープン特別止まり”といわれていたので、重賞を勝てて良かったです」
好スタートを切ると、大外からハナを主張してきた
トーラスジェミニを行かせて2番手につけた。直線を向いたときの手応えは決して良くなかったが、そこからがファイトあふれる鞍上の真骨頂。左ステッキの連打で闘志をかき立てて残り1ハロンで先頭に立つと、後続を尻目にトップで駆け抜け、16年連続JRA重賞勝ちを決めた。
これまでメイS連覇などオープン特別、リステッドで5勝を挙げながら、重賞では2度の3着が最高。しかし、この日は大仕事をやってのける予兆があった。「マイナス体重のわりに、ここ数戦のようにカリカリしていなくて落ち着きがあった。毛ヅヤも雰囲気も良かったね」と内田騎手。16キロ減の思い切ったシェイプアップを施し、中間に左側だけ深いブリンカーを装着するなど陣営の試行錯誤が実った形だ。
勝ち星の8勝すべてを東京で挙げている“府中マイスター”で、秋は天皇賞や
ジャパンCなどの大舞台も視野に入ってくるだろう。
「全レースをコンスタントに走るタイプではないけど、まだ伸びしろはあると思います。さらにタイトルを取ってほしい」とジョッキーは今後の飛躍を期待する。6歳の初夏に花開いた
キングカメハメハ産駒は、まだまだ大輪を咲かせるはずだ。(漆山貴禎)
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ダイワキャグニー 父
キングカメハメハ、母トリプレックス、母の父サンデーサイレンス。黒鹿毛の牡6歳。美浦・
菊沢隆徳厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は大城敬三氏。戦績24戦8勝。獲得賞金2億2785万円。重賞は初勝利。
エプソムCは
菊沢隆徳調教師、
内田博幸騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+人名より」。