ジャンヌ
佐藤洋一郎
第48回スプリンターズステークス(5日、新潟11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、芝・内1200メートル、1着本賞金9500万円=出走18頭)13番人気のスノードラゴンが大外から一気に差し切って、重賞と芝での初勝利をGIで飾った。高木登調教師(49)=美浦=と大野拓弥騎手(28)=美・フリー=も、GI初制覇。タイム1分8秒8(良)。1/2馬身差の2着に2番人気ストレイトガール、さらにアタマ差の3着に5番人気レッドオーヴァルが入り、1番人気ハクサンムーンは13着に敗れた。 もうフロックとは言わせない。雨空のもと、12年ぶりに越後路で開催されたスプリンターズSで、スノードラゴンが大外から豪快に突き抜けた。待望のGI初制覇。春の高松宮記念2着のリベンジを果たし、群雄割拠のスプリント路線の王座に就いた。 「この馬にしてはスタートが良く、いいところに潜り込めた。(内の馬とは)勢いが違ったので勝てると思った」 殊勲の大野騎手の笑顔がはじけた。 ゲート裏にまで響く3万3000人超の大歓声で、芦毛の闘志に火がついた。大外枠が懸念されたが、好スタートから中団のやや後方に付け、直線で自慢の末脚が爆発。残り100メートルすぎに内に並んでいた4頭を、最後にまとめてとらえた。 春の高松宮記念は、不良馬場などが味方したのが好走の要因と周囲に思われた。それでも大野騎手は手応えを感じていた。「オレ、今年GIを勝てるかも…」。中京からの帰りの車中で同僚ジョッキーにもらしたひと言が現実になった。