佐藤洋一郎
金子京介
くりーく
ニュージーランドTが6日、中山競馬場で14頭(アンクルテイオウは競走除外)によって争われ、内田騎乗のワイドファラオが逃げ切って重賞初制覇。クビ差2着のメイショウショウブ、後方から追い込んだ3着ヴィッテルスバッハとともに、NHKマイルC(5月5日、東京、GI、芝1600メートル)の優先出走権を獲得した。 名牝を追悼するメモリアルで、名門厩舎の底力が輝いた。1日に世を去ったウオッカの追悼競走と銘打たれたニュージーランドT。現役当時に所属し、数々の栄光を刻んだ角居厩舎の新鋭・ワイドファラオが、4カ月ぶりを力で克服した。 殊勲の立役者はこれが15年連続の重賞49勝目となった内田騎手。最内枠から最高のスタートを決めると迷いなくハナに立ち、1000メートル通過60秒3と絶妙のペースに落とし込んだ。 「他が主張すれば2、3番手で…と思ったけれど、意外と来なかったからね。返し馬からバネがあってスピードがあると感じたし、そのスピードで一番きつい中山の坂も駆け上がってくれた」 初騎乗で見事に重賞のVへと導き、ベテランが晴れやかな表情を浮かべた。 皐月賞の大本命と目されるサートゥルナーリアに続き、3歳マイル路線でも主役が躍り出た形となった角居厩舎。トレーナーがこの日、不在だったため今後のローテは未定だが、優先出走権を獲得したNHKマイルCについて鞍上は「番手でも競馬ができる馬だし、大丈夫」と太鼓判を押した。1勝馬の身でタイトルを手にしたワイドファラオが、平成の女傑の遺志を継ぎ、令和の時代のさらなる高みを追い求めていく。 (内海裕介)ワイドファラオ 父ヘニーヒューズ、母ワイドサファイア、母の父アグネスタキオン。栗毛の牡3歳。栗東・角居勝彦厩舎所属。北海道新ひだか町・フジワラフアームの生産馬。馬主は幅田昌伸氏。戦績4戦2勝。獲得賞金6486万4000円。重賞初勝利。ニュージーランドTは角居勝彦調教師が初勝利、内田博幸騎手は2005年マイネルハーティー、13年エーシントップに次いで3勝目。馬名は「冠名+王様」。