12日の東京11Rで行われた第65回
毎日王冠(3歳上オープン、GII、芝1800メートル、15頭立て、1着賞金=6200万円、1着馬に天皇賞・秋の優先出走権)は、
武豊騎手騎乗の8番人気
エアソミュール(牡5歳、栗東・
角居勝彦厩舎)がゴール寸前で差し切り勝ち。
鳴尾記念に続く重賞2勝目を手にした。タイムは1分45秒2(良)。
人気馬が伸びず、伏兵ばかりが上位を争ったゴール前。最後に抜け出したのは、名手を背にした5歳馬
エアソミュールだった。前日にも京都で再三、好配当を演出した
武豊騎手が、ここでも8番人気馬を勝利に導く会心の騎乗。見事に天皇賞・秋(11月2日、東京、GI、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。
レースは
サンレイレーザーが先手を取る意外な展開。
ウインマーレライが2番手につけ、
グランデッツァが3番手を追走する。人気の
ワールドエースは中団のやや後ろで外からレースを進めた。大きな動きはないまま流れ、
サンレイレーザーはマイペース。直線に向いても、後続を引き連れて軽快にピッチを刻んだ。好位にいた馬たちは
サンレイレーザーに追いつけず、
ワールドエースも伸びがない。そのまま押し切るかと思われたところに、
スピルバーグ、
ディサイファらが急追したが、その間からさらに鋭く伸びたのが
エアソミュール。ゴール前で見事に差し切り、重賞2勝目を飾った。クビ差2着に11番人気
サンレイレーザーが逃げ粘り、さらにクビ差の3着には5番人気
スピルバーグが入っている。
ワールドエースは13着と大敗した。
エアソミュールは、父
ジャングルポケット、母エアラグーン、母の父サンデーサイレンスという血統。北海道千歳市・社台ファームの生産馬で、(株)ラッキーフィールドの所有馬。通算成績は23戦10勝。重賞はGIII
鳴尾記念(2014年)に次いで2勝目。
角居勝彦調教師は
毎日王冠初勝利。
武豊騎手は98年
サイレンススズカに次いで2勝目。
武豊騎手は「ラストに馬がもう一段伸びてくれたので、“よし、勝てる”と思いました。気性の難しい面があった馬で、全て解消されたわけではないのですが、以前乗ったときよりも乗りやすくなっていました。レース前も落ち着いていたし、道中の折り合いもついて、この馬でこれだけ折り合えたのは僕自身初めて。スタッフがさすがですね。(位置取りは)スタートして決めようと思っていたのですが、それなりに流れてくれたので、ポジションより折り合いに気をつけました。枠順(2枠2番)も良かったですね。次(天皇賞)がますます楽しみになりました。僕自身、春も夏もおとなしかったので、この秋は目立ちたいと思います」と存在感を強烈にアピールしていた。
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