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ウオッカ死す…牝馬64年ぶり日本ダービー衝撃V

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ウオッカ死す…牝馬64年ぶり日本ダービー衝撃V

 牝馬として64年ぶりとなる日本ダービー制覇など、史上最多タイのJRA・GI7勝を挙げたウオッカが1日午後、英国のニューマーケットで蹄葉炎のため死んでいたことを3日、JRAが発表した。15歳だった。女傑の突然の死に、武豊騎手らが悲しみの声を寄せた。

 平成が“終わり”へのカウントダウンを迎えた4月。平成の競馬を彩った女傑が、天国へ旅立った。史上最多タイのJRA・GI7勝馬ウオッカが1日午後、蹄葉炎により、牡馬との交配のため滞在していた英国のニューマーケットで死んでいたことがわかった。15歳での早すぎる死。ハナ差の激戦を制した2008年の天皇賞・秋など、コンビでGIを3勝した武豊騎手は悲しみの声を寄せた。

 「僕にとって大変、思い出深い馬でした。名馬と呼ぶにふさわしい馬だったと思います。ファンの多い馬でしたし、本当に残念なニュースです。ご冥福をお祈りいたします」

 同馬は2006年に栗東・角居厩舎からデビューし、3歳春に牝馬としては64年ぶりとなる日本ダービー制覇。東京競馬場の古馬芝GI完全制覇(ヴィクトリアマイル安田記念、天皇賞・秋、ジャパンC)を達成するなど、JRA・GI7勝は牝馬で史上最多。性別を超えて海外の強豪とも堂々と渡り合い、次々に記録を樹立するようすから、女傑と評された。

 08、09年に年度代表馬に選出され、通算26戦10勝(うち海外4戦0勝)、総獲得賞金13億3356万5800円で引退。11年にはJRA顕彰馬にも選ばれた。現役時代に管理した角居調教師は「厩舎をメジャーにしてくれた功労者で、私にとっても大切な馬でした。ファンも大変多い馬で、本当に残念です」と肩を落とした。

 引退後はアイルランドで繋養され、繁殖牝馬として7頭を出産。4番子のタニノフランケル(父フランケル)が重賞戦線で活躍しているが、今年1月28日に生まれた父フランケルの牝馬がラストクロップとなった。

 数々のレコードタイムを樹立した競走生活のように、瞬く間に一生を駆け抜けたウオッカ。その雄大なフットワークは、いつまでもファンの目に焼き付いていることだろう。

 ◆コンビを組んで日本ダービーを制覇した四位洋文騎手 「ショックです。僕にとっては子供のころからの夢であったダービーを取らせてくれたかけがえのない馬です。自分として、スーパーホースの背中を知れたことは、それからの競馬人としての指標にもなりました。あんな馬にはもう巡り合えないかもしれません」

 ◆谷水雄三オーナー 「このような形になり、大変残念です。ウオッカには、ただただ感謝の気持ちしかありません。7つのGIを勝ち、その全てが印象に残っていますが、特に挙げるのであればやはり牝馬として64年ぶりの制覇となった日本ダービーと、13分の写真判定の結果の勝利となった天皇賞・秋、同じくハナ差で制したジャパンカップです。多くのファンに応援していただいた馬で、ファンレターもたくさんいただきました。今でも当時を思い出し、胸が熱くなります。これまでの応援に心から感謝しています」

ウオッカの全競走成績はこちら

ウオッカ 父タニノギムレット、母タニノシスター、母の父ルション。鹿毛の牝15歳。2004年、北海道静内町・カントリー牧場生産。現役時は栗東・角居勝彦厩舎所属で馬主は谷水雄三氏。戦績は26戦10勝(うち海外4戦0勝)。獲得賞金は13億3356万5800円(うち海外2868万9800円)。重賞は06年GI・阪神JF、07年GIII・チューリップ賞、GI・日本ダービー、08年GI・安田記念、GI・天皇賞・秋、09年GI・ヴィクトリアマイル、GI・安田記念、GI・ジャパンCの8勝。馬名は「酒の一種」。

蹄葉炎(ていようえん) 蹄の内部の血液循環が阻害されることで起きる炎症。競走馬は着地の際に蹄が拡大、収縮し、内部の血液を心臓まで戻すポンプの役割を果たすことで、蹄の先まで新鮮な血液が流れている。しかし故障などで一部の脚だけに負荷がかかると蹄内部の血液循環が悪くなり、炎症が起きることがある。重症化すると予後不良で安楽死処置をとられることが多い。トウショウボーイ、テンポイント、サンデーサイレンスなど多くの名馬もこの病気がもとで死んでいる。

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