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【ヴィクトリアM】津村明秀騎手が男泣き 14番人気テンハッピーローズでついにつかんだGⅠ初制覇

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【ヴィクトリアM】津村明秀騎手が男泣き 14番人気テンハッピーローズでついにつかんだGⅠ初制覇

津村明秀(38)=美・フリー=騎乗の14番人気テンハッピーローズが中団追走から直線で鋭く伸びて快勝、人馬ともにGⅠ初制覇を飾った。勝ちタイム1分31秒8(良)。単勝配当2万860円はGⅠ史上4番目の記録となった。1馬身1/4差の2着はフィアスプライド。1番人気のマスクトディーヴァは3着、2番人気のナミュールは8着に敗れた。



デビュー21年目の仕事人が大波乱を巻き起こした。48度目のJRA・GⅠ挑戦となった津村騎手が、14番人気のテンハッピーローズを巧みに導き、人馬ともにGⅠ初制覇。中団後方をリズムよく追走し、抜群の手応えで直線へ。ラスト1ハロンを切ったあたりで先頭に立ってゴール板を駆け抜けると、鞍上は拳を何度も高く突き上げた。

「無我夢中でした。直線がすごく長く感じて、必死に追っていました。左回りのほうがいいと分かっていたので、この馬の末脚を信じて4コーナーまでうまくいけばと思っていて、最高の形で直線を迎えられました」


ようやく手にしたGⅠタイトル。目に涙を浮かべ、声を震わせながら喜びをかみしめた。「よく苦労しているといわれますが、ただ自分の苦労が足りなかっただけだと思っています。もう勝てないかもしれないと思うときもありましたが、諦めては駄目だと頑張ってきました。まだまだジョッキー人生は続きます。また勝ってウイニングランがしたいですね」。

殊勲のベテランが「生きがいです」と話す愛妻と小学5、3年生の愛息は、サッカーJ1鹿島アントラーズの試合観戦で競馬場には不在。それでも、「間違いなく家族の支えが一番大きく、いつも応援してくれていました。帰ったらみんなを抱きしめたいです。パーティーです。早く帰りたいです」と笑顔を見せた。

ブービー人気ながら鮮やかなGⅠ制覇に高柳大調教師も驚きを隠せなかった。「信じてはいましたが、本当に勝ってくれるとは…。ここを勝つために長い時間をかけて、競馬を教え込んできました。調整はすごくうまくいって、いい状態で出せると思っていたので、もっと注目してほしかったですけどね」と笑みを浮かべる。今後は未定だが、陣営の努力が実り、大輪の花を咲かせた6歳牝馬。この勝利は今後につながっていくに違いない。(三浦凪沙)

テンハッピーローズ 父エピファネイア、母フェータルローズ、母の父タニノギムレット。栗毛の牝6歳。栗東・高柳大輔厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は天白泰司氏。戦績24戦6勝。獲得賞金2億6885万3000円。重賞は初勝利。ヴィクトリアマイルは津村明秀騎手、高柳大輔調教師ともに初勝利。馬名は「冠名+幸福+母名の一部」。

■津村 明秀(つむら・あきひで) 1986(昭和61)年1月5日生まれ、38歳。千葉県出身。美浦・鈴木伸尋厩舎所属から2004年3月6日デビュー。同期は川田将雅藤岡佑介吉田隼人ら。初勝利は同月21日中京6R(マグマヴィーナス)。1年目は8勝を挙げて民放記者クラブ賞(新人賞)を受賞。07年8月からフリーに。17、20年にフェアプレー賞受賞。JRA通算1万1237戦653勝(12日現在)。重賞は18勝。168センチ、51キロ。

★アラカルト

津村明秀騎手 初騎乗で勝利。JRA・GⅠは48回目の騎乗で初勝利。これまでの最高は19年オークス秋華賞ジャパンC(いずれもカレンブーケドール)の2着。JRA重賞はフラワーCミアネーロ)以来で今年3勝目、通算18勝目。

高柳大輔調教師 今年出走の2頭を含む管理馬3頭の出走で初勝利。前回は23年(サウンドビバーチェ)の5着。JRA・GⅠは21年チャンピオンズCテーオーケインズ)以来で、通算2勝目。JRA重賞は23年サンスポ杯阪神牝馬Sサウンドビバーチェ)以来で、通算6勝目。


エピファネイア産駒 今年出走の2頭を含む4頭の出走で初勝利。これまでの最高は22年(デアリングタクト)の6着。JRA・GⅠは桜花賞ステレンボッシュ)以来で今年2勝目、通算9勝目。JRA重賞も桜花賞以来で今年7勝目、通算21勝目。

◆馬主…天白泰司氏 所有馬初出走で勝利。JRA・GⅠは2頭の出走で初勝利。前回は23年ホープフルSテンエースワン)の13着。JRA重賞も15頭の出走で初勝利。これまでの最高は本馬による20年アルテミスSの3着。

◆生産者…社台ファーム 08年(エイジアンウインズ)以来で、通算4勝目。JRA・GⅠはNHKマイルC(ジャンタルマンタル)に続く今年3勝目、成績公報に生産牧場を掲載するようになった1986年以降、通算102勝目(他にJ・GⅠを3勝)。JRA重賞もNHKマイルCに続き今年11勝目。

◆払戻金 単勝⑨2万860円、馬連②⑨9万3690円、馬単⑨→②30万3260円は、当レースの式別ごとの最高払戻金額を更新。

◆単勝14番人気馬の勝利 初めて。

◆関西馬の勝利 22年(ソダシ)以来で、通算は関西馬11回、関東馬8回。

◆6歳馬の勝利 15年(ストレイトガール)以来で、通算2回目。

◆馬番⑨の勝利 初めて。


★売り上げ、入場人員

ヴィクトリアマイルの売り上げは165億8032万9700円で前年比90・6%。12日の東京競馬場の入場人員は3万7619人で同83・3%だった。



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