第33回ローズステークス(20日、阪神11R、GII、3歳牝馬オープン国際(指)、馬齢、芝・外1800メートル、1着本賞金5000万円、1~3着馬に秋華賞の優先出走権 =出走17頭)ルメール騎乗の7番人気タッチングスピーチが、外から豪快に差し切って重賞初V。1番人気のオークス馬ミッキークイーン(2着)、3番人気の桜花賞馬レッツゴードンキ(4着)など春の実績馬をなぎ倒した。タイム1分45秒2(良)。3着の2番人気トーセンビクトリーまでが、牝馬3冠の最終戦・秋華賞(10月18日、京都、GI、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。 抜群の切れ味だった。500万下を勝ったばかりのタッチングスピーチが、一気に突き抜けて重賞初勝利。秋華賞の切符を手中にした。初コンビのルメール騎手の笑顔がはじける。 「スタートはあまりよくなかったけど、彼女にとってすごくいいペースになった。ちょっと忙しかったけど、リラックスして走ってくれた。長くいい脚を使えたね」 序盤は行き脚がつかずに後方2番手。向こう正面でハナに立ったレッツゴードンキが飛ばして前半1000メートル58秒4のハイペースとなり、流れが向いた。直線は外に持ち出し、最後方から大外を通るミッキークイーンと並ぶ形でスパート。オークス馬に加速力で勝ち、逃げ粘る桜花賞馬もかわした。春のGI馬2頭をねじ伏せてのVだ。 春はオークスを目標にしていたが、ミッキークイーンが勝った忘れな草賞で8着に敗れた。英GI馬リッスンを母に持つ期待の良血馬。北海道の牧場で立て直した。放牧効果で心身ともに成長し、8月の札幌で復帰して快勝。今回で連勝だ。石坂調教師は「前は骨がゴツゴツしているのが目立ったけど、筋肉が付いてきた。精神的にもどっしりした。走らないと困る血統だからホッとしているよ」と頬を緩めた。 本番でも手綱を取るルメール騎手は「スタミナも瞬発力もある。とてもいい馬だから楽しみ」とGIタイトルをにらむ。 新星が加わった牝馬ラスト1冠をめぐる戦いは激しさを増しそうだ。 (川端亮平)★20日阪神11R「ローズステークス」の着順&払戻金はこちらタッチングスピーチ 父ディープインパクト、母リッスン、母の父サドラーズウェルズ。鹿毛の牝3歳。栗東・石坂正厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。戦績6戦3勝。獲得賞金6551万8000円。重賞初勝利。ローズSは、石坂正調教師は2012年ジェンティルドンナに次いで2勝目。クリストフ・ルメール騎手は初勝利。馬名の意味は「ジーンとくる演説、人の心を動かすスピーチ」。