京都新聞杯(芝2200メートル)が9日、京都競馬場で13頭によって争われ、和田騎乗で4番人気の
ディープボンドが競り合いを制して重賞初勝利。
日本ダービー(31日、東京、GI、芝2400メートル)出走に向けて調整される。クビ差2着は3番人気の
マンオブスピリット。断然人気に推された
アドマイヤビルゴは4着に終わった。
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父と同じ道へ、確かな手応えを得た。このレースを制してダービーの栄光も手にした
キズナの産駒
ディープボンドが、激しい叩き合いから抜け出して前哨戦の父子制覇を達成。東上最終便で貴重な賞金加算を果たした。
「スタートさえ決まれば、と思っていました。いいところで競馬ができましたね。しぶとい脚が使えることは分かっていたので、並んだところで『大丈夫だな』と思いました」
重賞初Vに導いた和田騎手が頬を緩めた。道中は5、6番手で、人気の
アドマイヤビルゴをマーク。先に抜け出したライバルを残り1ハロン過ぎでかわすと、外から伸びる2着
マンオブスピリットもクビ差で退けた。この3歳世代が初年度の父に届けた6つ目の重賞タイトル(交流含む)は、大きな意義のある1勝だ。
アザレア賞から中1週で
皐月賞(10着)に臨み、さらに中2週という厳しいローテーション。それでも鞍上は「力をつけている感じがありましたね」とうなずき、大久保調教師も「前走も栗東に帰ってきてからすぐに元気いっぱいだった。後肢も強くなっている感じがあって、成長を感じます」とタフネスぶりと成長度に目を細める。
今後は「来週以降の馬の状態を見て(の判断)にはなりますが、せっかく
日本ダービーへのチケットをいただいたので、オーナーと相談して前向きに考えていきたいです」とトレーナーは大一番を見据える。無敗の
皐月賞馬
コントレイルと同門の“ノースヒルズ軍団”に現れた新星。本番でも父子制覇を狙う
ディープボンドが、一世一代の晴れ舞台に挑む。 (山口大輝)
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ディープボンド 父
キズナ、母ゼフィランサス、母の父
キングヘイロー。青鹿毛の牡3歳。栗東・
大久保龍志厩舎所属。北海道新冠町・村田牧場の生産馬。馬主は前田晋二氏。戦績6戦2勝。獲得賞金6581万8000円。重賞初勝利。
京都新聞杯は
大久保龍志調教師、
和田竜二騎手ともに初勝利。馬名は「深い絆」。
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