第50回アメリカジョッキークラブC(25日、中山11R、GII、4歳上オープン国際、別定、芝・外2200メートル、1着本賞金6000万円=出走13頭)
横山典弘騎乗、4番人気の
ネヴァブションが好位から直線で抜け出し快勝した。タイム2分13秒9(良)。2馬身1/2差の2着には同じ伊藤正厩舎の2番人気
エアシェイディが入り、しぶとく脚を伸ばした
トウショウシロッコが3着。1番人気の
ドリームジャーニーは自慢の末脚が不発に終わり、8着に敗れた。
ノリの独壇場だった。
ネヴァブションが2着の僚馬
エアシェイディ以下に2馬身半差をつけてゴールした瞬間、鞍上の
横山典弘騎手は左腕を高々と突き上げて喜びを爆発させた。馬場状態を考慮して普段よりも前めの3番手を追走し、直線入り口で逃げた
キングストレイルを捕らえる完勝劇。緻密な計算がズバッと決まった。記念撮影では久々にデットーリ直伝の“フライングディスマウント”も披露するサービスを見せた。
「今年はずっと関西馬に持っていかれていたので、関東馬が勝てて良かった」としてやったりの表情。さらに「JCでハナに行くレースをしていたのできょうも前に行けた。今までやってきたことがうまくつながった感じ。自分でも完璧に乗れたと思う」と本音もポロリ。これで
AJCCは
小島太現調教師と並ぶ最多タイの5勝目。今や立派なレースの“顔”だ。
伊藤正徳調教師は昨年の
エアシェイディに次いで連覇を達成。今年はそのエアが2着でワンツーを決めた。「力のいる馬場はネヴァに向いていたね。春の目標は天皇賞(5月3日、京都、GI、芝3200メートル)。以前に骨折(2度)した経験のある馬だし、疲れや歪みをしっかりと取ってから次走は決めたい。ネヴァが勝ったことで、9Rでレース中に骨折して、安楽死となった(同じオーナーの)トレノパズルの弔い合戦ができてよかった」と少しだけ安堵の表情を浮かべた。
3~4歳時には一昨年の
グランプリ馬
マツリダゴッホと抜きつ抜かれつの勝負を演じていた
ネヴァブション。2度の大きな骨折を乗り越えて確実に地力をつけた今、
エアシェイディとともに“GI制覇”のノロシを上げる。(片岡良典)