今週のGIII重賞・
平安Sに好素質の
ネイキッドを送り込む
浜田光正調教師(70)=栗東=は、2月いっぱいで定年を迎える。芦毛の怪物・
ビワハヤヒデなどでGI7勝を挙げた名トレーナーが、波瀾万丈の競馬人生を振り返りながらラスト1カ月に全力投球をみせる。
2月いっぱいで定年となる
浜田光正調教師が
平安Sに有力馬
ネイキッドを送り込む。
ビワハヤヒデや
ファレノプシスなどでGIを7勝したトレーナーが、定年前に重賞タイトルをもうひとつ積み重ねようとしている。
「見習騎手時代から約55年になる。強い馬がいたときは1年が早かったな」。浜田師は長かったトレセンでの生活を振り返りこう話した。浜田師の言う“強い馬がいたとき”を代表するのが、自身に初めてのGIタイトルをもたらした
ビワハヤヒデだろう。92年朝日杯3歳S、93年
皐月賞、ダービーとGIで立て続けに2着だったハヤヒデは、
菊花賞で念願のGIタイトルを手に入れる。「
菊花賞を勝った次の日のスポーツ紙は全部買って、今も大事に保管してあるよ」。GI初制覇の喜びは今でもフレッシュだ。
その後も昨年の2歳女王
ブエナビスタの母
ビワハイジ、98年の2冠牝馬
ファレノプシスなど名馬を手がけてきた。
平安Sに出走させる
ネイキッドの伯母はその
ファレノプシスで、浜田師にとっては縁のある血統だ。「こういう馬で重賞に挑戦できるのは調教師冥利に尽きる。まだまだ奥のある血統だし、ここで勝ち負けしても
フェブラリーSは(出走が)厳しそう。定年後は中竹厩舎に行くので、そこでGIに出走する馬になってくれれば嬉しい」と、今後のためにもこの
平安Sのタイトルは何としても欲しいところだ。
昨年の
平安Sは、同年の2月末で勇退が決まっていた
松元省一元調教師が管理していた
クワイエットデイが勝っている。来月の
小倉大賞典(7日、小倉、GIII、芝1800メートル)に
ホッコーソレソレーと
ホッコーパドゥシャを登録する予定でこれがラスト重賞ではないが、残されたチャンスは少なくなってきている。定年の花道に重賞タイトルを獲得すれば、
ネイキッドにとっても大きく道が開けるはずだ。(高尾幸司)