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今年の東京競馬の掉尾(とうび)を飾るジャパンカップの追い切りが24日、美浦トレセンと東京競馬場で行われた。美浦ではルージュバックがWコースで4ハロンから追われて好気配。秋3戦目でも攻めの姿勢を貫き、GI初制覇への意欲を感じさせた。また、外国馬3頭も雪が降る中で強めの追い切りを消化。近年にない積極的な調整内容が目を引いた。同日午後に枠順も決まり、決戦ムードが高まっている。
降りしきる雪も、ルージュバックの熱気を冷ますことはなかった。最終追い切りの併せ馬で軽快な走り。ジャパンCで強豪に立ち向かう猛烈なデモを披露した。
降り出した雪が勢いを増していく午前8時すぎ。ルージュバックがダノンバウンド(500万下)に先導されてWコースへ。気温2度と冷え込んだが、気持ち良さそうに走り出す。4コーナーで内に入り、直線でも鞍上は手綱を持ったまま。スーッと併走馬を追い抜いて2馬身差をつけるフィニッシュだった。
「攻めすぎず、それでいていつもより強くと思って調教した。使われているぶん、鋭さがあったね。これまでは強めに乗るとカイ食いに影響したけど、それが解消して調整しやすくなった。フィジカルの強さを下支えするメンタルが安定してきたね」
大竹調教師が意図を説明した強気の調教は、時計に表れている。4ハロンからの調教は最近のパターンだが、ゴール前に仕掛けた天皇賞・秋当時の51秒3と遜色ない51秒7。ラストまで馬なりでの1ハロン12秒8は、重い馬場状態を考えれば優秀だ。
午後の枠順抽選で引き当てたのは〔2〕枠(4)番。これまで好走は外枠が多いが、「内でも外でも気にしていない。ジョッキーを信頼するだけ」と、戸崎騎手に一任した。
前走の天皇賞・秋は、直線で内に押し込められて力を出し切れず7着。思い描いた結果は得られなかったが、秋3戦目で渾身のリベンジを狙う。
「距離は正直わからないけど、力を出し切れば届くと思う。当日は雨の予報で、馬場も距離もいい材料はないかもしれないけど、前走でできなかったスムーズな競馬さえできれば」
デビュー時から天才と騒がれながら、いまだ届いていないGIのタイトル。今度こそ…という陣営の思いが、ルージュバックを世界の頂点へと後押しするはずだ。 (柴田章利)
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