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第65回朝日杯フューチュリティステークス(15日、中山11R、GI、2歳オープン国際(指)、セン馬不可、馬齢、芝・外1600メートル、1着本賞金7000万円 =出走16頭)4番人気でライアン・ムーア騎乗のアジアエクスプレスが直線で馬群の外から一気に伸び、デビューから3連勝で2歳王者に輝いた。タイム1分34秒7(良)。芝のレース初出走馬のGI制覇は、1984年のグレード制導入後では初めて。2着は6番人気のショウナンアチーヴ。1番人気アトムは5着、川崎所属のプレイアンドリアルは7着に敗れた。
馬群の外をノンストップで通過した。超特急さながらのスピードで、ダート2戦2勝のアジアエクスプレスが、中山で行われる最後の朝日杯FSを快勝。芝初挑戦でGIを勝つ史上初の快挙で2歳王者に就いた。
「前走でギアがたくさんあるとわかったし、能力はすごいと思っていた。芝でもダートでも走れるなんて特別な馬です」
顔を紅潮させたムーア騎手がパートナーをたたえた。前走のオキザリス賞で「芝でもやれる」感触をつかんだが、やはり不安はあった。「2戦ともダートだし、調教も(ウッドチップの)坂路。芝はまったく初めてで考えさせられた」と正直に告白する。不安を払拭させたのは4コーナーでの加速だった。
「前に馬を置いていい位置を取れたが、大きな馬なので下り坂で戸惑っていた。だけど4コーナーからは(他馬と)スピードが違うから、差せると確信した」
道中は馬群の中。4コーナー手前で進路を外に取ると、そこからは先行勢を一気に捕らえ、先に抜け出したショウナンアチーヴを楽々かわした。
「してやったり、という感じです。確勝を期してダートでデビューしたけど、芝で使おうと思っていたから」
手塚調教師は思ったとおりの勝利に満面に笑みを浮かべる。「来年のことはまだわかりませんが、芝でもダートでも走れるのは選択肢が広がりました」と明るい未来に思いをはせる。
「ダートの方が合っているが、芝で一生懸命走って、競馬に対する頭がいい」とムーア騎手。今後はクラシック登録をしていないため流動的だが、追加登録を含めて可能性は大きく広がった。クラシックかマイル路線か、またはドバイのUAEダービーか。どの路線に向かっても、止まることなく進むに違いない。 (柴田章利)
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