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伝統の天皇賞・春(GI、芝3200メートル)が28日、京都競馬場で行われる。古馬の頂上決戦に英国から強豪レッドカドーが参戦してきた。昨秋のジャパンCは不利が響いて8着に敗れたが、その後、香港、ドバイで実績を積み上げて再来日。調整過程は申し分なく、外国馬初の天皇賞制覇へ向けて、準備は整いつつある。
不完全燃焼に終わった初来日から5カ月。ジャパンC8着のリベンジを誓う英国馬レッドカドーが、京都競馬場で静かに牙を研いでいる。
「馬体重は490キロで理想的な感じ。狙いの一戦に向けて、いい感じに仕上がりつつあるよ」
23日朝は、ダートコースで200メートルを約17秒平均のキャンターで周回。トレヴァー助手が好気配を笑顔で伝えた。
JCの後に参戦した12月の香港ヴァーズでは、ジャガーメイルなどを下し、GI初勝利。そして、今年初戦となった世界最高賞金のGI・ドバイワールドカップでは、米ケンタッキーダービー馬アニマルキングダムの2着。7歳を迎えて、今がまさに旬だ。
陣営にとって、春の盾にかける思いは強い。「(JCは)力を出し切れず、悔しいレースだった。まともなら勝ったとまでは言わないけど、4着はあったはずだよ」とトレヴァー助手。JCでは、ラスト400メートルで後ろにいた馬に接触されて、左後肢のスネの裏に5センチほどの外傷を負った。そのうえ、ラスト100メートルで進路をカットされた。「今でも傷を見ると、あの悔しさを思い出す」。今度こそ本来の力を見せるつもりでいる。
「一緒に走ったことがない馬(ゴールドシップなど)との比較はわからないが、距離が延びるのはいい。前回の来日よりも状態はいいと思う」とトレヴァー助手は胸を張る。2010、11年エリザベス女王杯連覇のスノーフェアリーを管理し、日本の競馬を熟知したダンロップ調教師が送り込む英国の刺客が、外国馬初の天皇賞Vを本気で狙いにきた。 (佐藤将美)
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