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第32回帝王賞(24日、大井11R、指定交流、GI、サラ4歳以上、選定馬、定量、ダ右2000メートル、1着賞金7000万円)武豊騎乗のヴァーミリアンが、単勝160円の断然人気に応えて3馬身差の圧勝。日本最多タイとなるGI7勝目を挙げた。タイム2分3秒6(不良)。今後は放牧に出て、秋からのダートGI戦線で史上初のGI8勝目に挑む。2着に2番人気フリオーソ、3着に4番人気ボンネビルレコードが入り、3連単1080円の堅い決着となった。
4カ月ぶりの実戦も、暑い夏場の不安も軽~く吹き飛ばした。ヴァーミリアンが3馬身差の完勝で日本で史上7頭目となるGI最多タイの7勝目を挙げ、健在ぶりをアピール。鞍上の武豊騎手は笑顔でファンに完全復活を報告した。
「返し馬の走りは軽かったし、雰囲気は最高だった。久しぶりにヴァーミリアンらしい走りができましたね」
道中は2番人気のフリオーソを前に見る絶好の3番手を追走した。勝負が動いた3コーナー。フリオーソが果敢に先頭を奪い、レースを支配しようとしたのを見て、ヴァーミリアンも外を回りながら楽々と続く。4コーナーでの手応えの差は歴然。ヴァーミリアンが襲いかかる波の如く、馬なりのままライバルを飲み込んだ。
「昨年の暮れも頑張っていたけど、きょうは全然違ったね。7歳でも元気一杯。これからもますます期待できますよ」。ウオッカが回避したため週末の宝塚記念はスマートギアに騎乗することになったが、単勝160円と圧倒的支持を受けた帝王賞はきっちりV。ユタカの頬は緩みっぱなしだ。
管理する石坂正調教師も「勝てない時期はあったが、あんなものじゃないと思っていた。GI7勝目ということは忘れていたが、よく頑張ってくれている」と本来の姿を取り戻した愛馬に労いの言葉をかける。
この後は宮城・山元トレセンに放牧に出て、秋は過去2年と同じくJBCクラシック(11月3日、名古屋、交流GI、ダ1900メートル)からJCダート(12月6日、阪神、GI、ダ1800メートル)、東京大賞典(12月29日、大井、交流GI、ダ2000メートル)のダートの王道を歩む。4歳勢の勢いが強いが、まだ主役を譲るわけにはいかない。まずは未踏のGI8勝目へ。7歳馬ヴァーミリアンの進撃はまだ続く。(板津雄志)
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