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栗東の坂路にある小さなスタンド。いつものように橋口調教師と友道調教師が調教を見ていた。昨年は橋口師がオークス(オディール5着)とダービー(フローテーション8着)の両方に出走させたが、今年は友道師のほう。「君のところはオークスにも出るの?」と言う橋口師の言葉に「隅の方ですけれど…」と控えめに答えた友道師。もちろん、出馬表の隅(18番枠)という意味だ。
スイートピーS2着で権利を確保したサクラローズマリーは、角馬場から坂路のメニューを消化し「きょう見たら、太いかな、と思うくらい。カイ食いはいいし、環境にも動じないからね」と中2週でも疲れはまったく感じさせない。ダービーには1番人気が予想される皐月賞馬アンライバルドを送り出すが、オークスでは伏兵の立場。「今週? プレッシャーはないですね。展開が向いたり、雨が降ったりした時に勝負になるくらいじゃないかな。でも、日曜は雨模様みたいだからね。力が必要な馬場になった方がいい馬だから」。
そのアンライバルドは朝一番、角馬場でじっくりと乗り込んだ。体には張りもあり、気配は上々だ。「日曜に15-15をやって水曜の追い切りに備えたい」。至って順調だ。
美浦ではNHKマイルC5着のフィフスペトルが軽快に坂路を駆け上がった。「来週は木曜にしっかりと併せ馬をする予定」と加藤征調教師。その言葉を聞いて、阿部は心の中で喜んだ。ほとんどの馬が水曜に追い切るので、木曜にナマの追い切りがあるのは紙面の都合上、非常に助かる。その頃、栗東では下村がゴールデンチケットの追い切りが木曜の予定と聞いて、厩舎スタッフに「とてもありがたいです」と素直に伝えていた。
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