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今週は有力馬がそろった中山のスプリングSが注目されているが、阪神にも3歳牡馬のクラシック候補が登場する。豪快な末脚でGIIIきさらぎ賞をレコードで快勝したワールドエース(栗・池江寿)が、皐月賞トライアルの若葉S(17日、阪神、OP、芝2000メートル、2着までに優先権)に出走予定。ここで重賞ウイナーの格を見せつけて、堂々と東に乗り込む構えだ。
西の大物が、別路線からクラシックを見据えている。ディープインパクト産駒の素質馬ワールドエースが、若葉Sをステップに皐月賞、そしてダービー制覇にチャレンジする。前走ですでに重賞のきさらぎ賞を勝っており、オープン特別ならば力は一枚上。2着までの権利がどうしても欲しい他馬とは異なり、今回は結果だけではなく、内容も求められる一戦だ。
「コーナーが4回の競馬で、折り合いがつけられるかを見てみたい。それに、(トライアル、皐月賞と)中山に2度の輸送となると、フレッシュな状態でダービーに臨めませんから」。それが、池江寿調教師が、若葉Sを選択した理由だ。
皐月賞と同じコーナー4回の競馬は前々走の若駒Sで経験しているが、2着に敗れてしまった。加えて、多頭数でコーナーが多いと出入りの激しい競馬で揉まれやすくなり、それがエキサイトする要因ともなる。川合調教助手も「確かに、調教でも掛かりそうな感じはありますから」と言う。きさらぎ賞の京都芝外回り1800メートルは向こう正面が長く、前半をゆったり進むことができたが、同じ走りをコーナー4回でできるかどうかだ。
だが、今回のその課題は、あくまでも確認。陣営は絶対能力の高さに自信を持っている。「とにかく心肺機能がすごい馬です」と川合助手。「追い切りが終わった後にキャンターで流しても、まだ走ろうという姿勢を見せる。これは違うな、という雰囲気の馬です」。オルフェーヴルを筆頭に多数の有力馬を抱える池江寿厩舎。そのスタッフが才能を感じているワールドエースには、大きな可能性が広がっている。
8日の栗東坂路での追い切りは4ハロン57秒2、ラスト1ハロン13秒2と時計こそ要したが「馬場が悪かったことを気にした」と福永騎手。「久々に乗ったが、トモがしっかりしてきたね」と若駒S2着以来のコンビに、確かな成長を感じている。現時点でも世代No.1の声があるワールドエース。東で行われるトライアルの前に、西からキッチリ皐月賞制覇に王手をかける。 (下村静史)
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