石橋脩(39)=美・フリー=騎乗で8番人気の
アイアンバローズが、大逃げから一旦後続を引きつけ、直線でもう一度突き放して重賞初制覇。管理する
上村洋行調教師(50)=栗=は阪神の
チャレンジCも制しており、過去10年で6例目となる同日2重賞制覇を成し遂げた。
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すがすがしい冬空の下、平地最長距離のマラソンレースを制したのは
アイアンバローズ。あっと驚く逃走劇で重賞初制覇を決め、石橋騎手は息を切らしながら喜びを語った。
「よく頑張ってくれました。また(騎乗を)頼んでもらえたので、今回は重賞を勝ててよかったです」
スタート後しばらくは2番手を追走していたが、1周目の3コーナーで「(ペースを)遅くしたくなかった。自分のペースでいこう」と単騎先頭へ。場内がどよめくほどの大逃げで持久力比べに持ち込み、最後まで先頭を譲らなかった。
オルフェーヴル産駒は、昨年の
シルヴァーソニックに続く連覇でこのレース3勝目だ。
「こういう持久力戦に持ち込むと強いですね。脩(石橋騎手)にも『持久力を生かした競馬をしてくれ』と言っていたので、その通りの競馬をしてくれました」
2022年5月8日の安田隆調教師(
新潟大賞典=
レッドガラン、
NHKマイルC=
ダノンスコーピオン)以来の同日ダブル重賞制覇となった上村調教師は笑みが絶えない。次走は未定だが、師走名物を制したスタミナ自慢は、さらなる大舞台を見据えていく。(山口遥暉)
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アイアンバローズ 父
オルフェーヴル、母パレスルーマー、母の父ロイヤルアンセム。鹿毛の牡6歳。栗東・
上村洋行厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は猪熊広次氏。戦績27戦5勝。獲得賞金2億1512万5000円。重賞は初勝利。
ステイヤーズSは
石橋脩騎手、
上村洋行調教師ともに初勝利。馬名は「鉄+冠名」。