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武蔵野Sデータ分析
東京で行われるダート重賞にもかかわらず、関西馬の台頭が顕著なレースである。2013年以降における関東馬の複勝圏入りは、2015年2番人気1着ノンコノユメと、2022年1番人気2着レモンポップの2頭だけ。人気、実力、勢いの3要素がそろっていないと、勝ち負けの争いに加わることは難しい。ただし、関西馬ならなんでもOKというわけではなく、前走2桁着順の馬や前走の単勝人気が7番人気以下だった馬が、武蔵野Sで2着連対圏に入ったケースは皆無となっている。その点には注意を払いたい。舞台となる東京ダート1600mは、芝からのスタートであり、基本的には前半のラップが速くなりやすい。とくに当レースは高速決着になりがちで、時計勝負への対応力が大事なポイントになる。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）
【人気】
2013年以降、1番人気は【2.2.1.5】と信頼度はやや低め。3着以内を確保した5頭はいずれも、東京ダート戦1着からの参戦馬だった。この条件を満たしていない馬が人気を背負っている場合は疑ってかかりたい。過去10年で5番人気以内の1～3着独占は一度だけ。2017年と2019年には3連単の配当が100万円を超えているレースでもある。人気サイドが明らかに怪しいと思うのであれば、とことん振り回してのホームラン狙いもアリだ。
◆人気別成績（過去20年）
| 人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1番人気 | 3-5-2-10 | 15.0% | 40.0% | 50.0% | 47.5% | 64.5% |
| 2番人気 | 5-3-1-11 | 25.0% | 40.0% | 45.0% | 176.5% | 84.0% |
| 3番人気 | 2-1-1-16 | 10.0% | 15.0% | 20.0% | 58.5% | 39.0% |
| 4番人気 | 1-3-0-16 | 5.0% | 20.0% | 20.0% | 66.5% | 49.0% |
| 5番人気 | 3-1-1-15 | 15.0% | 20.0% | 25.0% | 179.5% | 81.5% |
| 6～9番人気 | 6-5-11-58 | 7.5% | 13.8% | 27.5% | 177.4% | 132.9% |
| 10番人気以下 | 0-2-4-130 | 0.0% | 1.5% | 4.4% | 0.0% | 63.2% |
◆単勝オッズ別成績（過去20年）
| 単勝オッズ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.9倍以下 | 0-4-2-1 | 0.0% | 57.1% | 85.7% | 0.0% | 97.1% |
| 2.0～2.9倍 | 1-0-0-5 | 16.7% | 16.7% | 16.7% | 48.3% | 21.7% |
| 3.0～4.9倍 | 4-3-1-13 | 19.0% | 33.3% | 38.1% | 70.0% | 64.3% |
| 5.0～7.9倍 | 3-2-0-19 | 12.5% | 20.8% | 20.8% | 73.8% | 39.6% |
| 8.0～14.9倍 | 9-4-7-36 | 16.1% | 23.2% | 35.7% | 194.3% | 114.3% |
| 15.0～19.9倍 | 0-3-2-19 | 0.0% | 12.5% | 20.8% | 0.0% | 97.5% |
| 20.0～49.9倍 | 3-2-5-48 | 5.2% | 8.6% | 17.2% | 178.4% | 106.2% |
| 50.0倍以上 | 0-2-3-115 | 0.0% | 1.7% | 4.2% | 0.0% | 63.1% |
◆配当（過去10年）
| 馬券種 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 3,660円 | 290円 | 1,141円 |
| 複勝 | 2,600円 | 110円 | 489円 |
| 枠連 | 3,890円 | 400円 | 2,018円 |
| 馬連 | 21,070円 | 610円 | 6,460円 |
| ワイド | 24,840円 | 230円 | 4,405円 |
| 馬単 | 45,590円 | 1,810円 | 13,206円 |
| 3連複 | 422,390円 | 1,720円 | 90,150円 |
| 3連単 | 2,353,630円 | 13,660円 | 478,154円 |
【脚質】
ゲートを出てから150mほど芝部分を走り、ダートコースへ合流。そのままスピードに乗って長い向こう正面を進むことから、速いラップが序盤に並びやすい。そのため、差し・追い込み型が幅をきかせており、2013年以降の1着馬10頭中8頭が4角5番手以降の位置取り。上がり3ハロンタイム最速馬（タイを含む）は【6.0.3.3】の好成績を残している。まずは、末脚重視のスタンスで臨みたい。
◆脚質別成績（過去20年）
| 脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 3-0-1-16 | 15.0% | 15.0% | 20.0% | 443.5% | 115.0% |
| 先行 | 4-8-6-56 | 5.4% | 16.2% | 24.3% | 65.0% | 107.8% |
| 差し | 9-8-5-103 | 7.2% | 13.6% | 17.6% | 71.4% | 62.8% |
| 追込 | 4-4-8-81 | 4.1% | 8.2% | 16.5% | 22.3% | 76.8% |
【枠順】
芝スタートのダート戦は芝部分を走る距離が長い外寄り、7～8枠あたりが有利というのが定説。だが、過去20年の枠順別成績を確認すると落ち着いた成績になっている。つまり、序盤からスピードに乗りやすいため、いつもより前めの位置取りとなって、結果的に持ち味を発揮できない馬も少なくないということ。枠順に固執せず、出走各馬の特徴を精査するのが優先事項と考えたい。
◆枠順別成績（過去20年）
| 枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 0-2-1-35 | 0.0% | 5.3% | 7.9% | 0.0% | 38.7% |
| 2枠 | 6-3-2-27 | 15.8% | 23.7% | 28.9% | 131.3% | 105.5% |
| 3枠 | 3-1-3-33 | 7.5% | 10.0% | 17.5% | 47.5% | 64.8% |
| 4枠 | 3-3-5-29 | 7.5% | 15.0% | 27.5% | 200.0% | 164.3% |
| 5枠 | 0-2-2-36 | 0.0% | 5.0% | 10.0% | 0.0% | 42.0% |
| 6枠 | 4-3-5-28 | 10.0% | 17.5% | 30.0% | 140.5% | 104.0% |
| 7枠 | 1-3-1-35 | 2.5% | 10.0% | 12.5% | 34.8% | 37.0% |
| 8枠 | 3-3-1-33 | 7.5% | 15.0% | 17.5% | 71.5% | 90.5% |
【血統】
現行コースでの施行となった2003年以降、「父または母の父がMr. Prospector系種牡馬」となる馬が好走の大半を占めており、とくに勝ち馬においては20頭のうち13頭が該当するほど。そのなかでも、近年はキングカメハメハの血脈が存在感を放ち、東京ダート1600mのコースレコード（当時）を更新した2016年タガノトネール、13番人気で激走して3連単235万馬券の立役者となった2019年3着ダノンフェイスなど、好走時のインパクトがなおのこと印象を強めている。ほか、古くからStorm BirdやNijinskyの血を引く馬は人気不問で評価しやすいところがあり、2018＆2020年と隔年で2勝したサンライズノヴァは両方の血脈を抱えていた。また、Storm Birdの直系は、2005年サンライズバッカス（父ヘネシー）、2009年ワンダーアキュート（父カリズマティック）、2019年ワンダーリーデル（父スタチューオブリバティ）といずれも別種牡馬で3勝を挙げているため、同系統に属する種牡馬であれば産駒初出走となるケースでも気を配るべきだろう（東京ダート1600mのコース全般における種牡馬別成績は下記のとおり）。
◆同コース種牡馬別成績（東京競馬場／ダート／1600m／過去5年）集計期間：2019/04/21～2024/04/21
| 位 | 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ヘニーヒューズ | 42-44-48-232 | 11.5% | 23.5% | 36.6% | 50.2% | 102.4% |
| 2 | ロードカナロア | 22-12-19-155 | 10.6% | 16.3% | 25.5% | 86.9% | 65.2% |
| 3 | ドゥラメンテ | 17-12-12-96 | 12.4% | 21.2% | 29.9% | 55.0% | 58.5% |
| 4 | キングカメハメハ | 16-18-8-110 | 10.5% | 22.4% | 27.6% | 99.6% | 113.2% |
| 5 | ジャスタウェイ | 16-15-11-102 | 11.1% | 21.5% | 29.2% | 104.7% | 74.2% |
| 6 | ドレフォン | 16-13-10-104 | 11.2% | 20.3% | 27.3% | 76.4% | 103.0% |
| 7 | パイロ | 15-10-13-121 | 9.4% | 15.7% | 23.9% | 418.6% | 124.7% |
| 8 | キンシャサノキセキ | 12-13-9-93 | 9.4% | 19.7% | 26.8% | 80.2% | 83.7% |
| 9 | キズナ | 12-8-11-102 | 9.0% | 15.0% | 23.3% | 43.7% | 87.9% |
| 10 | ホッコータルマエ | 11-8-11-87 | 9.4% | 16.2% | 25.6% | 207.8% | 100.8% |
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