当企画のコンセプトにつきましては、コチラにてご確認ください。今週も“勝ち逃げ馬券師”新良武志氏に、注目の乗り替わりをピックアップしてもらいます。
※データは2020年以降の結果をもとに集計
編集部(以下、編) JRAの番組は、障害レースを含め基本的に毎週2つ以上の重賞が組まれていますが、今週は1年で唯一、1重賞しか行われない番組構成になっております。
新良(以下、新) 確かにそうですね。宝塚記念週は平地重賞はひとつながらも、土曜日に障害重賞が組まれていますからね。
編 はい。ある意味、とてもレアな週と言えるでしょう。
新 そのぶん、4重賞の週より心の負担は軽くなりますが、全力投球が求められることに変わりはありません。全体のレース数は同じなので(苦笑)。
編 おっしゃる通り。ただ、おもに重賞を狙っているこのコーナーとしては、ターゲットが絞れるのでやりやすいのではないでしょうか。
新 そういう面はあるかもしれません。選択肢が限られているからこそ、予想に集中できることもありますので。
編 ぜひとも集中力を高めていただいて、今週唯一行われる重賞の中京記念を攻略してもらいましょう。
新 このレースは過去10年で乗り替わりが5勝していて、2020年に最低人気で勝ったメイケイダイハードのように、人気薄の激走も目立ちます。今年も乗り替わりに頑張ってもらいたいですね。
編 では、注目の狙い目を教えてください。
新 ここは藤岡佑介騎手から西村淳也騎手に乗り替わる①ヴァリアメンテを狙います。
編 登録時点では抽選対象でしたが、見事に突破しましたね。
新 はい。よくぞ出走にこぎつけてくれました。出てきたら買いたいと思っていましたので。
編 西村淳騎手といえば、函館2歳Sのナナオが記憶に新しいです。
新 今週も陣営の期待に応えて、しっかり結果を残してくれるのではないかとみています。
編 推奨根拠を教えていただけますか?
新 西村淳騎手が重賞でも積極的に買える騎手になったことは、あえて強調するまでもないでしょう。格的にも、藤岡佑騎手を上回ったという印象です。
編 ご指摘の通り、西村淳騎手のここ最近の勢いには、目を見張るものがありますね。
新 ヴァリアメンテを管理する中内田充正厩舎の主戦は、言わずと知れた川田将雅騎手。それに次ぐセカンドのポジションを長らく藤岡佑騎手が務めてきましたが、最近の騎手の起用ぶりを見るに、西村淳騎手が完全にその座を奪った感があります。マーメイドSでも、中内田厩舎のビッグリボンで勝利。川田騎手の不在を見事にカバーしてみせました。
編 蜜月関係が出来上がりつつあるんですね。
新 あくまで川田騎手に次ぐ2番手ですが、関係性が劇的に良くなっていることに疑う余地はないでしょう。西村淳騎手の厩舎別の勝利数は、杉山晴紀厩舎が1位、中内田厩舎が2位。お互いの思惑が一致して、今回のテン乗りにつながったとみています。
編 中京芝1600mというコースもまったく問題ないと?
新 7月に入ってから、すでに3勝を挙げていますからね。問題ないどころか、本人的にも大歓迎といったところでしょう。
編 馬のほうの評価はいかがですか?
新 オープン入りしてから大敗したことはないので、能力的には不安なし。ハンデ戦なら、実績馬とも対等に渡り合えると思います。中内田厩舎は状態が悪かったら使わないタイプなので、長期休養明けでも心配は要らないでしょう。加えて、マイル前後、距離短縮に良績が集まっている厩舎ゆえに、千八から千六という短縮ローテもプラスに評価できます。
編 舞台は異なりますが、ヴァリアメンテの姉アンドラステは2年前の中京記念を勝っています。
新 きょうだい制覇達成の可能性は十分にあると思います。今週も西村淳騎手のハッスルプレーに期待しましょう。
★その他の注目乗り替わり★
中京7R ⑦タイキウルトラ(和田竜二→岩田望来)
福島9R ⑤ロードバルドル(ムルザバエフ→戸崎圭太)
札幌12R ⑦マイネルフォルツァ(丹内祐次→横山武史)
【プロフィール】
新良武志(しんら・たけし)
かつてはどこにでもいる競馬ファンの1人だったが、データベースソフト【TARGET】との出合いを経て、眠っていた馬券師としての素質が開花。騎手・種牡馬にウマニティU指数を組み合わせた独自のデータ活用術を考案し、常勝スタイルを確立させる。2015年秋にメディアデビュー。雑誌、WEBを中心に精力的に予想家活動を行っている。著書に『毎日コツコツ勝ち逃げリーマン馬券術』(ベストセラーズ)、『ジョッキー未来予測2019』(秀和システム)。