携帯電話に割り振る番号が今や090-、080-、070-で足りなくなり060-が近い将来使われるという話をTVのニュースでやっていた。 (060? 06は大阪じゃ……?)とか考えながらぼんやり聴いているとキャスターがこう言った。 「現在、日本の携帯電話に割り振られている番号の数はおよそ3億6000万個で……」 ちょっと待て(笑)。仮に日本の人口が1億2000万人として3億6000万ということは、オギャァと生まれたばかりの赤ちゃんも、一日ほぼ動かずに病院で過ごす寝たきりの老人も含め、1人が所有する携帯電話の数が3台? そんなにみんな持ってるか? いやいやそもそもそんなに必要か? 以前、大学時代のゼミの同窓会をやった時に、新宿の高級クラブの副店長になっていた同級生が店の女の子500人を管理するのに携帯を3台持っていて爆笑したが、そのくらい私の感覚では携帯の3台持ちは特殊で“当たり前”の日常風景ではない。 数字に囲まれて何気なく毎日を過ごしていると気付かないが、ちょっと考えると「違和感のある」数字は多い。以前参加した予備校の全国研修でも講話者が「皆さん! ちょっと想像してみてください! 300年後の日本の人口はわずか450万人です!」なんて言っていたが、450万人(現在の東京都の人口の約3分の1)という数字も実感がわかないし、そもそも300年後なんて私もあなたも死んでるがな(笑)。そんな先の話よりこっちは明日の飯の話だ、と思ったのを記憶している。 さて、携帯電話の登録台数3億6000万は違和感のある数字だが、違和感のある数字といえば競馬で、今週日曜東京競馬場のメイン競走天皇賞(秋)は違和感のある数字が活躍するレース。今週の金言を紹介するとしよう。 曰く「天皇賞(秋)は宝塚記念で違和感ある負け方をした馬を狙え」。 天皇賞(秋)は基本的に穴党に優しいレースではないが、5番人気以下の馬が馬券に絡んだ年を見返してみると、2018年3着キセキ→宝塚記念8着、2022年2着パンサラッサ→宝塚記念8着など、人気はともかく力があるにも関わらずその年の宝塚記念で違和感ある大敗を喫していたケースが少なからずある。 ジャスティンパレスは宝塚記念10着。どこまで人気を下げるか不明だが、昨年の天皇賞(秋)で並み居る実力馬を相手に、堂々イクイノックスの2着に食い込んだ実力馬で、調子さえ戻っていればここは楽勝しても不思議ない存在。流石に5番人気以下になる可能性は低そうだが、1番人気にもなるまい。ファンも半信半疑の今回が“買い”だ。 実家の農作業を手伝いながらさつまいもを収穫していたら、突然母親が3の0乗はいくつか? と質問してきた。コテコテの文系の私は「知らん」と即答したが、母は嬉々として説明し始めた。 「3の3乗を3で割ると3の2乗だろ? 3の2乗を3で割ると3の1乗なんだよ。だから3の1乗を3で割ると3の0乗なんだ。3を3で割ると?」 なるほど……答えは「1」か。禅問答みたいな話だ。私にはどうも納得がいかない(笑)。