「……これもいわゆるトクリュウによる事件と思われ……」 TVの情報番組でキャスターがそう言った。いわゆるトクリュウ……? まぁ、確かにこれだけ毎日、日本のどこかで、やれ闇バイトだ、やれ強盗だ、と物騒な事件が起こっていればいずれロクでもない集団であることぐらいは分かるが(笑)(はて何の略だったかな?)と思ったのだ。調べてみたら、モノの本には「警察庁が名付けた“匿名・流動型犯罪グループ”の略称で、SNSなど匿名性の高い通信手段を利用して犯罪を行う集団」とあった。(なるほど、匿名・流動型ね……)と理解した一方、こう思った。 (略さず言っても3秒かからないものを、わざわざ何の略だか判らない、ラーメン屋の名前みたいな呼び名に縮めて“1秒”で言うことにどれだけ意味があるんかいな……?) 調べついでに「ロクでもない」の語源も見てみたら、ロクは漢字で「陸」と表記し、その意味は「たいらでまっすぐ、正しくきちんとしていること」だと分かった。そうでないから「陸でもない」。まったく、日本語の略文化もロクでもなさじゃ負けてない(笑)。 新宿は「ジュク」、浜松町は「マッチョ」。グランピングは「グラマラスキャンプ」の略で、「ペペロンチーノ」の正式名称は「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」。 言葉を略することの意味は、「短く縮めることで簡単に言える語」によって同意を持つ長い言葉の代用をすることにあるが、よくよく聞いてみると、元の言葉の意味が正確には伝わっていないということが我々の日常には溢れている。略語は全て便利とは限らない。 さて、縮めた状態から元の長い言葉に戻すのが難しいのは「略語」だが、「短いところから長くするのが難しい」といえば競馬だ。これは故・大川慶次郎先生が生前よく仰っていた言葉なので、いつもの“金言”ではなく“格言”として紹介したい。今週の「格言」を紹介するとしよう。 曰く「距離変わりは短縮馬を狙え」。 どういう理由で大川先生が仰っていたかその理由を忘れてしまったが、彼は生前よくこの言葉を使った。「長い距離を走っていた馬が距離短縮をするのは問題ないが、その逆は難しい」という意味なのだが、今週日曜阪神競馬場のメイン競走、阪神ジュベナイルフィリーズはこの格言を使って的中させてみよう。 アルマヴェローチェは出世馬の多い札幌デビュー。これまでの2戦はいずれも芝の1800mで、初戦は逃げて勝ち、2戦目は差して2着と若駒らしからぬ多彩な戦法を持つ馬。大川先生の説が正しければ、距離短縮のここは同馬が楽々勝っても不思議でない。 I田氏にハマグリ漁のお誘いをかけたら即返事が返ってきた。 「さすが貝長。もはやハマ中ですな……」 「いやいや、あなたも相当だと思うよ(笑)。誘えば必ず来るっていう^^;」 I田氏、こう返してきた。 「私もアタオカですから…」 「ハマ中(ハマグリ中毒)」に「アタオカ(頭おかしい)」? ブルータス……お前もか(笑)。