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第44回京都牝馬S(1日、京都11R、GIII、4歳上牝馬オープン国際、別定、芝・外1600メートル、1着本賞金3900万円=出走14頭)武豊騎乗、6番人気のチェレブリタが、直線で抜群の瞬発力を発揮し、重賞初制覇を飾った。武豊騎手はデビュー年(1987年)から23年連続の重賞V。1馬身1/4差の2着にはレインダンスが追い上げ、1番人気のザレマは3着だった。
もう右腕骨折の話題はやめにしよう。武豊がチェレブリタを華麗にエスコート。昨秋の天皇賞(ウオッカ)以来となる今年初のJRA重賞勝ちで堂々の全快宣言だ。
「うまくいきました。外を回すつもりはなかったんで、どこが開くかなと…。手応えはすごくよかったんで。全快宣言? もう大丈夫ですよ」
ユタカが穏やかな表情で振り返る。後方2番手でじっくりと脚をためた。直線では迷わず内を突き進んだ。最内で粘るカレイジャスミンとその外のテンイムホウの間にスペースができると一気に割って出た。2着のレインダンスに1馬身1/4差をつける完勝だった。
「はさまれるような感じで、はさまらんように…。指示通りの競馬。(かといって不利を受けるわけにもいかず)プレッシャーがありましたよ」
前に壁を作り、闘争心を出す環境に馬をおいてやる。事前に陣営から仕入れた馬の特性を生かすレース。外を回すつもりがなかったのも、そのためだ。大胆かつ繊細な戦法がズバリとハマるのも、心身ともに“苦痛”がないからこそだろう。
昨年11月23日に落馬して右腕を骨折。12月21日の朝日杯FSで復帰してからも、騎乗数を制限したりしていた。年が明けてからも後遺症で騎乗をキャンセルしたこともあった。平日(月曜から金曜)は治療に専念していたのが、前週から調教騎乗も再開。「(大相撲の)朝青龍の次はオレ」と宣言して挑んだのがこの一戦だった。
「鞍上が上手に乗ってくれたと思います。賞金も加算したし、使いたいところに使える」と荒川義之調教師が笑顔を見せれば、ユタカも「これからも期待できると思います」とチェレブリタの前途を楽しみにしていた。ジョッキーも馬もまさしくアクセル全開。厳しい寒さを吹き飛ばす熱いレースだった。(酒井哲也)
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