ジョッキー親子3代Vだ。サマー2000シリーズ第2戦・
函館記念が18日、函館競馬場で16頭によって争われ、2番人気の
トーセンスーリヤが3馬身差の完勝劇で昨年の
新潟大賞典以来となる重賞2勝目をマーク。鞍上の
横山和生騎手(28)=美・フリー=は祖父・富雄元騎手、父・典弘騎手に続く
函館記念制覇となった。2着に14番人気
アイスバブル。12番人気の
バイオスパークが昨年と同じ3着に入った。芝初挑戦のGI馬
カフェファラオは、1番人気に支持されたが9着に終わった。
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夏の函館で人馬の絆の深さをみせつけた。北の荒れるハンデ重賞を押し切ったのは、横山和騎手が手綱を取った
トーセンスーリヤ。大接戦となった2着争いを尻目に3馬身差をつけた。
「やりました。きょうは負けるわけにはいかないと思っていた」
祖父・横山富雄元騎手(1971、74、75年)、父・典弘騎手(96、2004、11年)に続く親子ジョッキー3代での
函館記念V。相棒の首筋をなでながら、殊勲の鞍上が笑みを浮かべる。
前半1000メートル通過58秒5の速い流れで飛ばした2頭が4コーナーで失速し、直線入り口では早くも先頭に立たされる楽ではない形。それでも滞在する函館で連日、稽古にまたがって感じていたデキの良さを信じた。「周りが流れていったので、スーリヤのリズムで気分良く走らせた。返し馬から具合の良さが伝わってきていたし、自分が焦らなければやれる。直線もかわされることはないと思いました」と快勝劇に胸を張る。
気性の激しさから、以前は調教に乗るのも怖いと語っていた。6歳夏にして見せたさらなる成長の跡に「(競馬で)こうしなきゃっていうのがなくなってきた。大人になってきています」と目を細めた。
圧巻の走りを間近で見届けた小野調教師も「きょうは予定通り。めでたしめでたし」と、してやったりの口ぶり。「去年は夏バテで本当にギリギリで
札幌記念(6着)を使ったけど、今回はここに向けていい感じでこられたからね。早めに流れた競馬だし、強かった」と、過去の教訓を結果につなげられたことで、ホッとした表情を見せた。
昨春の
新潟大賞典以来の重賞2勝目で、存在感を取り戻した。今後の目標は、サマー2000王者の座。「オーナーサイドとはレース前から次は
新潟記念(9月5日、新潟、GIII、芝2000メートル)で
サマーチャンピオンを目指そうかと話しています。
札幌記念は来年でいいんじゃないかな」とトレーナー。進化を続けるスーリヤの夏は、まだまだ続く。(内海裕介)
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トーセンスーリヤ 父
ローエングリン、母トーセンガラシャ、母の父
デュランダル。栗毛の牡6歳。美浦・
小野次郎厩舎所属。北海道日高町・(有)エスティファームの生産馬。馬主は島川隆哉氏。戦績34戦6勝(うち地方3戦1勝)。獲得賞金1億9714万5000円(うち地方350万5000円)。重賞は2020年
新潟大賞典に次いで2勝目。
函館記念は
小野次郎調教師、
横山和生騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+インド神話の太陽神」。