第51回
北九州記念(21日、小倉11R、GIII、3歳上オープン国際(特指)、ハンデ、芝1200メートル、1着本賞金3900万円 =出走12頭)サマースプリントシリーズ第4戦は、後方を追走した8番人気の
バクシンテイオーが、粘り込みをはかる1番人気の
ベルカントを見事に差し切って、重賞初制覇を成し遂げた。タイム1分8秒5(良)。夏の小倉の重賞で関東馬が勝利したのは初めてだった。
炎天下の小倉で豪脚がさく裂した。8番人気の伏兵
バクシンテイオーが圧倒的1番人気の
ベルカントを葬り去り、7歳にして重賞初制覇。関東馬として、夏の小倉で重賞初Vという偉業のおまけつきだ。
「ゲートをうまく出てくれて、流れを見ながら脚をためました。しまいはいい脚を使えるイメージで、そのイメージで乗りました。仕掛けてからの反応はすごく良かったですね」
初騎乗の藤岡康騎手は大粒の汗をぬぐい、満面の笑みを浮かべた。後方2番手を追走し、4コーナー手前で外から徐々に進出。直線では早めに先頭に立って押し切りをはかる
ベルカントを、メンバー最速の上がり3ハロン34秒2を駆使し、大外一気で差し切った。この日南北で演じられる堀厩舎劇場の先陣を切る勝利でもあった。
4月17日の阪神3Rで落馬骨折し、6月の函館で復帰した鞍上にとっては、うれしい今年重賞初勝利。しかも小倉での初タイトルとなった。「毎年小倉に来ているので勝ててうれしいですね」と白い歯を見せた。
早めに移動して小倉競馬場に滞在しての調整も功を奏した。「調子がいいと(陣営からは)聞いていたので、それを引き出せてよかった。今後も力をつけてくれると思う」とジョッキーは期待を込める。次走は未定だが、灼熱(しゃくねつ)の小倉からスプリント界に遅咲きの新星が誕生した。 (渡部陽之助)
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