夢月
シムーン
山口吉野
くりーく
第30回中山牝馬S(11日、中山11R、GIII、4歳上牝馬オープン国際、ハンデ、芝・内1800メートル、1着本賞金3500万円=出走16頭)福永祐一騎乗の8番人気レディアルバローザが、先手を取ってそのまま逃げ切り、中山牝馬S連覇を果たした。タイムは1分50秒6(重)。このあとはヴィクトリアマイル(5月13日、東京、GI、芝1600メートル)を予定している。1番人気のアプリコットフィズは8着、2番人気のホエールキャプチャは5着に敗れた。 被災地に思いを込めて8番人気のレディアルバローザが、昨年のこのレース以来の勝利で復活をアピールした。 「こういう日に競馬をさせてもらって、自分の無力さを感じもします。東日本大震災から1年。自分の中でしっかりと受け止めて、これからも励んでいきたい」 勝利の喜びと同時に、3・11という日に重賞を勝ち、福永祐一騎手は引き締まった表情になった。 スタートと同時に(12)番という外枠から勢いよく先行態勢を取った。「外枠でどうしようかと思ったけど、『スタートが良ければ前へ』と調教師から言われていたので」とユーイチは逃げの戦法を選択した。 この日の中山は前日までの極悪馬場から徐々に回復。内から乾いていくことから、先行馬が残るレースが多かった。その傾向を見事に捕らえたジョッキーの判断がズバリ的中。昨年(4月2日)の重賞初Vから1年間勝てなかったアルバローザを見事に復活に導いた。 「よく最後までがんばってくれましたね。昨年のヴィクトリアマイルで3着だったし、この時期は調子がいい馬。きょうは逃げたけど、正攻法の競馬もできますから」 ジョッキーは昨年、アパパネ、ブエナビスタと接戦の3着に敗れたヴィクトリアマイルで悲願のGI制覇を狙う。土曜5勝、日曜2勝で今年31勝として蛯名を抜いて全国リーディングトップに立ったユーイチは「僕にできることをやって、継続的に支援していきたい」と復興支援に意欲を見せた。復活したレディアルバローザと日本に夢と元気を与えてくれるはずだ。 (柴田章利)