京都牝馬Sは20日、阪神競馬場で16頭によって争われ、酒井騎乗で3番人気の
イベリスが逃げ切り、2019年
アーリントンC以来となる重賞2勝目を挙げた。2着は5番人気
ギルデッドミラーで、3着は9番人気
ブランノワール。1番人気の
リリーバレロは11着に沈んだ。
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寒風を吹き飛ばすような圧巻の逃げ切りだ。
イベリスが、2019年
アーリントンC以来、1年10カ月ぶりの重賞2勝目。酒井騎手がしてやったりの表情を浮かべた。
「レース前から『ハナを主張して』と思い、先生とも作戦を立てて臨みました。直線で追い出したら、しっかり反応を返してくれた。よく頑張ってくれました」
好スタートを切ってハナに立つと、マイぺースの逃げに持ち込んだ。3~4コーナーの勝負どころでしっかりと脚をため、直線へ。内ラチ沿いで力強く坂を駆け上がると、酒井騎手の左ムチに応えて後続の追撃を1馬身半差で振り切った。
見守った角田調教師は「ジョッキーとも手が合うと思っていましたし、理想通りの展開になって賞金加算できたので良かったです」と胸をなでおろした。3歳春に
アーリントンCを逃げ切ったものの、以降は11戦で2度の3着が最高。長らく低迷していたが、かつての姿を思わせる逃走劇で12戦ぶりの勝利を飾った。
「1600メートルも
アーリントンCを勝っているので長いといえないが、展開が向いたら(勝負できる)ね」とトレーナー。今後はオーナーとの相談で決まるが、
ヴィクトリアマイル(5月16日、東京、GI、芝1600メートル)が視野に入りそうだ。5歳で復活を遂げた快速娘が、大舞台をにぎわせる存在となる。(長田良三)
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イベリス 父
ロードカナロア、母セレブラール、母の父ボストンハーバー。鹿毛の牝5歳。栗東・
角田晃一厩舎所属。北海道新ひだか町・土居牧場の生産馬。馬主は前田幸治氏。戦績18戦4勝。獲得賞金1億2430万7000円。重賞は2019年GIII
アーリントンCに次いで2勝目。
京都牝馬Sは
角田晃一調教師、
酒井学騎手ともに初勝利。馬名の意味は「花名。花言葉は初恋の思い出」。