第59回産経
大阪杯(5日、阪神11R、GII、4歳上オープン国際(指)、別定、芝・内2000メートル、1着本賞金6500万円)昨年のGI
エリザベス女王杯優勝馬で4番人気の
ラキシスが、断然の1番人気
キズナとの追い比べを制し、天皇賞・春(5月3日、京都、GI、芝3200メートル)の優先出走権を獲得した。タイム2分2秒9(不良)。通年免許を取得したフランス出身のクリストフ・ルメール騎手(35)=栗・フリー=は、JRA所属騎手としての初白星を重賞で飾った。
久しぶりの勝利の味をかみしめた。GI馬6頭が集結した不良馬場での一戦で、泥だらけになって
ラキシスをVにエスコート。1カ月遅れでデビューしたルメール騎手は、場内インタビューでファンに頭を下げた。
「ごっつぁんです!! みなさん、ご迷惑をおかけしました。JRA騎手として最初の重賞レースを勝てて本当にうれしいですね」
日本語でちゃめっ気たっぷりに切り出すと、拍手が起こった。当初は3月1日にデビュー予定だったが、2月28日に阪神競馬場の調整ルームで携帯電話を使用。30日間の騎乗停止を受け、4日にようやく初陣を迎えた。昨年11月に右すねを骨折しており、4カ月半ぶりの実戦復帰。7戦目で健在ぶりを見せつけた。
道中は中団後方で脚をためた。直線に向くと、残り200メートルからは圧倒的な1番人気
キズナとの一騎打ち。伸びを欠いた相手を尻目に力強く駆け抜けた。鞍上は「全部、完璧だった。
キズナは本当にいい馬だけど、ペースと馬場が味方してくれたね」と会心の表情だ。
角居調教師は「さすがですね」と名手をたたえる一方、「こんなに強いとはね。ビックリしました。(前走比)プラス10キロで、この体重にずっとしたかった」と管理馬の充実ぶりに目を細めた。今後については天皇賞・春も視野にオーナー側と協議する。
「この1カ月はもどかしかったけど、パーフェクトなスタートで心からうれしい。クラシックはたくさんのいい馬に乗る予定なので、ひとつでも勝ちたいと思います」
“みそぎV”で存在感を示したルメール騎手。春のGIで大暴れしそうだ。 (川端亮平)
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