史上最強世代の「ヨシオ」が働き過ぎ......?3歳夏で「キャリア22戦」一流ブラック企業も真っ青の「皆勤ホース」が狙うはJRAの大記録!?
Gambling Journal ギャンブルジャーナル/2016.08.08 http://biz-journal.jp/gj/2016/08/post_1017.html
7日(日)に新潟で開催されたレパードS(G3)。武豊騎乗の1番人気ケイティブレイブと、戸崎圭太騎乗の2番人気グレンツェントが最後の直線で激しくデットヒートしている一方、早々に馬群から脱落した馬がいた。
石橋脩騎乗の9番人気ヨシオである。
昨年の7月15日という比較的早い時期にデビューしたため、すでにキャリアは1年が経過しているが、その間の出走回数がなんと22戦。ちなみに同じく3歳夏を迎えているレパードSの出走馬と比較すると、最少はネクストムーブとフォースリッチの4戦、ヨシオに次ぐ最多はケイティブレイブの12戦である。
これだけを見ても、ヨシオの22戦が如何に「異常な」出走数なのかがわかるはずだ。
「普通の競走馬は、多少丈夫な場合でも月に1度程度の出走が常識ですし、それでも毎月出走している馬は少数派です。例えば、昨年はラブリーデイが有馬記念で年間10戦目に到達し『使い過ぎでは』と話題になりましたが、ヨシオはその倍以上。足元への負担が少ないといわれるダート短距離を使っているとはいえ、3歳夏で22戦は異様ですね」(競馬記者)
ちなみにヨシオの馬主は仲山誉志夫(なかやま よしお)氏。愛馬はデビュー以来ブラック企業も真っ青の"皆勤賞"ぶりだが、自分の名前を付けているくらいだから、ヨシオのことを愛してないはずはないだろう。
ヨシオを管理する森秀行調教師は管理馬をとにかく稼がせることで有名な、仲山氏のような個人馬主にとってはありがたい調教師だ。
以前、インタビューで「ダメな馬でも使ってあげないと。それで出走手当てが出るんだから。1回40万円近く」と話していたが、まさに有言実行ということだろうか。それにしても連闘、中1週は当たり前という"規格外"のローテ―ションで故障させない手腕はさすがである。
だが、こうなってくるとヨシオには、是非ともハートランドヒリュが持つJRA最多出走記録に挑んでもらいたい。
次のページ▶▶ 記録保持者が持つトンデモない出走数
1998年12月にデビューしたハートランドヒリュだが、2006年3月の最後のレースまで積み上げたキャリアは驚愕の127戦。10歳まで息の長い活躍を続けたが、生涯獲得賞金は1億3000万円に上る。
地方ならまだしもJRAで普通に競走生活を送っている限り、まずたどり着けない前人未到の大記録だが、ヨシオが今の勢いで今後も走り続ければ、十分に記録を更新する可能性もある。
実際にハートランドヒリュが、3歳8月の時点で積み上げていたキャリアは15戦。デビュー時期の関係もあるが、ヨシオの3歳8月の時点でのキャリア22戦は最多記録を大きく上回る"ハイペース"だけに期待が持てるというものだ。
ただ、ヨシオがハートランドヒリュの記録を上回るには、意外にもその高い能力が"ネック"になるらしい。
「ハートランドヒリュの主な勝ち鞍は1000万下の名鉄杯で、キャリアの大半を出走レースの選択肢が豊富な1000万下の条件馬で過ごしています。しかし、ヨシオは現時点ですでに2勝しており、前々走も1000万下で3着。今後の成長次第では、OPクラスに上がる可能性もあります。そうなってくると使えるレースが限られてしまい、今のような無理使いはできなくなる可能性が高い。もしもOP以上で勝てば、今度は斤量の問題でますます使えるレースが限られてしまいます」(同)
まさか、自身の能力の高さが"足枷"になるとは......そんな競走馬は、ヨシオくらいのものかもしれない。
ちなみにヨシオにはノリミという1つ下の妹がいる。やはり仲山氏の所有馬であり、やはり森厩舎の管理馬である。そして、やはり6月にデビューしてから、すでに2戦を消化している。
果たしてノリミも兄ヨシオの"道"を辿るのだろうか......兄妹の今後に注目だ。