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2頭出しで挑む池江泰郎厩舎のリルダヴァルとトゥザグローリーが栗東ポリコースで併せ馬。リルダヴァルが6ハロン76秒0の一番時計を馬なりでマーク(半馬身遅れ)し、状態の良さを誇示した。エイシンフラッシュはCWを馬なりで6ハロン84秒7、3ハロン38秒8-11秒6と極上の切れを見せた。皐月賞2着ヒルノダムール、プリンシパルS優勝のルーラーシップも順調に追い切りを終えた。
出走予定馬へ
来年2月いっぱいで定年を迎える名伯楽・池江泰郎調教師の思いを込めた追い切りで、リルダヴァルが弾けるような走りを見せた。
キックバックが少ないはずのポリトラックが、後方に大きく蹴り上げられる。僚馬でライバルのトゥザグローリーと併せたリルダヴァルだが、2頭ともにものすごい脚力であることを示すものだ。2馬身トゥザを追いかけたリルダヴァルは、直線に入っても鞍上の福永祐一騎手の手綱は動かないまま。目一杯に追われるトゥザを最後までかわせなかったが、軽快な走りはライバルを圧倒した。6ハロン76秒0はこの日の栗東ポリでは一番時計。ラスト3ハロンも35秒1-11秒7を馬なりのまま叩き出したのだから恐れ入る。
「これが骨折から休み明け4戦目。きょうの動きもしっかり安定しているな。馬体も走り方も万全や」
池江郎調教師の柔和な顔が、さらに笑顔でくしゃくしゃになる。トレーナーが管理した無敗3冠馬ディープインパクトの甥にあたり、デビュー2連勝を飾った期待の良血。しかし骨折で6カ月に及ぶ長い休養を余儀なくされた。休んでいる間に強力なライバルたちが出現。復帰戦の毎日杯で3着、皐月賞は6着、NHKマイルCでは見せ場を作る3着と健闘したが、タイトルには及ばなかった。リルダヴァルが長い眠りから覚醒するように、陣営は必死の仕上げを施してきた。
「よくダービーに間に合ってくれたと思う。前走も日本レコード(1分31秒4)の3着と、あれだけの速いタイムに対応してくれたし、今回も楽しみにしています」
日頃から、「ダービー馬は神様だけが知っている」と話す池江郎師。ならば、この最後のダービーに神様が微笑むことがあってもいい。そのドラマを演出するのはリルダヴァル。この日の動きからは、そんなシナリオが透けて見えてきた。
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