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天皇賞・春の枠順が29日、確定した。フルゲート18頭で行われた春の盾は、1番人気が連対できず波乱の傾向。昨年も12番人気のマイネルキッツが優勝し、3連単22万1080円と大荒れだった。このレースを◎▲△で的中した高尾幸司記者は〔5〕枠(10)番テイエムアンコールをプッシュ。前哨戦の産経大阪杯でドリームジャーニーを破ったオペラハウス産駒に注目だ!
父オペラハウスで“テイエム”の冠号とくれば、00年春秋、01年春と天皇賞を3連勝した7冠馬テイエムオペラオー。そのオペラオーと同じ父を持ち、“再演”を期待されて名付けられたのがテイエムアンコールだ。
3歳4月とデビューは遅れたが徐々に力をつけ、6歳となった今年の中山記念で不良馬場にもひるまずに大外をグイグイと伸びて2着。前走の産経大阪杯はパンパンの良馬場だったが、積極的なレース運びで単勝1・2倍と断然人気のドリームジャーニーを完封。重賞初制覇を決めた。芝2000メートルで1分59秒5(良)の勝ちタイムも優秀だ。
「前走はある程度気合をつけて前で競馬をしました。その経験があるので、今回は馬が自然と前に行ってくれると思います。収穫のあるレースでしたね」
浜中俊(すぐる)騎手(21)=栗・坂口大=は最高の形でGIに駒を進めた。浜中はデビュー3年目の昨年、8番人気の伏兵スリーロールスとのコンビで菊花賞を制覇。今年はロールスとのコンビで天皇賞・春に出走するものだと思っていたが、有馬記念のレース中に故障し、引退を余儀なくされた。GIジョッキーにしてくれた相棒の事故に、人目をはばからず号泣した。
その浜中が新たな相棒と淀の晴れ舞台に臨む。アンコールとは、昨年6月の初騎乗で陣営の期待に応えて1着。前走まで4戦して、【2・1・0・1】と手の内に入れている。距離は2200メートルまでしか経験がなく、3200メートルは未知だ。しかし、「ロールスも2000メートルまでしか走ってなかったけど、3000メートルを勝った。前に壁を作れば折り合いはつくし、状態の良さで距離はカバーしてくれます」と菊花賞での経験が本人の自信になっている。
18頭が出走した天皇賞・春は1番人気が5連敗中。今年はドリームジャーニーの回避で、GI馬はマイネルキッツ1頭だけ。人気ほど力の差はない。「菊花賞くらいの手応えはあります。ロールスの分も頑張ります」と21歳の若武者は闘志を燃やす。
午後に決まった枠順は〔5〕枠(10)番。浜中は「内が欲しい」と言っていたが、真ん中なら問題はない。菊花賞で2着に破った馬が、今回人気を集めそうなフォゲッタブル。ロールスとの出走はかなわなかったが、GI馬を撃破した充実の6歳馬を駆って、再び波乱を演出してみせる。(高尾幸司)
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