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今週は中山競馬場で2歳牡馬チャンピオン決定戦の朝日杯フューチュリティSが行われる。昨年の覇者ローズキングダムが今年のクラシックで2歳王者として久しぶりに活躍し、注目度が高くなっている今回、主役はGIII東スポ杯2歳Sを楽勝したサダムパテックだ。
出走予定馬へ
はっきり見えた頂点は絶対に逃さない。大物感たっぷりの走りで東京スポーツ杯2歳Sを圧勝したサダムパテックが、一気に2歳王者の座を奪いにいく。
「ウチの厩舎のGIでは珍しく(笑)、今回は人気になると思うけど、それに応えられるだけの潜在能力を持っている。ホント、とてつもない馬に巡り会えた感じだね」
主役として立つ大一番にも西園調教師は自信を隠さない。厩舎開業13年目の今年はエーシンフォワードでマイルCSを制覇し、タムロチェリーでの’01阪神JFに次ぐGI2勝目をマーク。充実期に入った調教師生活を振り返っても、パテックは1、2を争う“大物”との評価を与えている。
新馬戦こそ出遅れが影響して2着に敗れたが、2戦目で初勝利を飾り、次は自己条件(500万下)で手堅く2勝目を狙う予定だった。だが、初勝利をアシストしたC・スミヨン騎手が「この馬は凄い。次も乗らせてほしい」と大絶賛。急きょ、スミヨンの騎乗予定に合わせて東スポ杯2歳Sへ矛先を変えると、2着のリフトザウイングスに3馬身半差をつける衝撃Vを飾ってみせた。
「抜け出してからのスピードがケタ違い。あれでもゴール前は抑えていたほどだったし、見ているこっちが身震いするほどの末脚だったね」。この時点で西園調教師は2歳王者を、そして、その先にある将来を確信した。さらにスミヨンがジャパンC(ブエナビスタ)での騎乗停止が解けて今週から復帰。パテックの能力を真っ先に見抜き、信頼を寄せる名手の存在も頼もしい限りだ。
「スミヨンは長い距離でも大丈夫と言ってくれているので、(芝2000メートルの)ラジオNIKKEI杯2歳Sの選択肢もあった。だからといってマイル戦がダメというわけではないし、乗りやすい馬だから中山も問題ない。それに一生に1度だからJRA賞(最優秀2歳牡馬)にも選ばれたいからね」
西園調教師の目にはVしか映っていない。昨年、東スポ杯に続いて朝日杯を勝ったローズキングダムが今年、皐月賞4着、ダービー2着、菊花賞2着と活躍し、繰り上がりながらジャパンCを制覇。その後の不振が目立っていた2歳王者が、久しぶりに輝きを見せた。
サダムパテックも東京芝1800メートルのGIIIを圧勝しただけに、将来性は十分。まずは世代のトップに立ち、来春のクラシック制覇へ。輝ける未来のためにも、ここは通過点にしてみせる。
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