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夏競馬真っ盛り。函館では古川吉洋騎手(32)=栗・フリー=が気を吐いている。東西からトップジョッキーが参戦する中で13勝を挙げてリーディング4位。日曜メーンの函館2歳Sは新馬戦を快勝したドリームバロンと挑む。初戦の勝ち時計が1分13秒3と平凡で人気になりそうもないが、「展開が向けば楽しみ」と上位の一角崩しを狙う。
この夏、東西の腕達者が揃う函館シリーズで確かな存在感を示している男がいる。デビュー15年目、フルキチこと古川吉洋騎手だ。シリーズ13勝は、横山典、丸山、藤田に次ぐリーディング4位の好成績だが、本人の姿勢に変化はない。
「いつもと変わった感じはないんですよ。(勝ち星が多いのは)運と巡り合わせでしょう。いくつ勝っても、負けることの方が多い仕事ですし、満足することは絶対にありませんから」
淡々とした口ぶりにはムチ一本で仕事に生きる職人気質が漂う。だが、今夏の函館では、数字だけでなく中身も濃い。新馬戦2勝、メーンレース2勝。13勝のうち5勝を関東馬で挙げている点も目を引く。それも長年の地道な努力で築いてきた人脈の賜物だ。秋の福島競馬の開催時には、美浦に滞在して積極的に調教をつけたこともある。
「一人でやっているのではなく、周りの人が応援してくれることでやっていけるわけですから。人とのつながりは何年もかけて築くもの。調教に乗って、競馬で乗せていただけるようになって、結果を出せるのは本当に嬉しいですよ」
結果が出たことで騎乗数も増加。いい流れになっていることは間違いない。重賞戦線でも函館2歳Sはドリームバロン、来週のクイーンSではピエナビーナスとのコンビで連覇に挑む。
「重賞で声がかかるのは嬉しいし、函館で結果を出せるのも嬉しい。でも、これが当然と言われるくらいにならないとね」
この活躍をきっかけに、中央場所でもさらなるステップアップを図る。今週のドリームバロンは新馬戦に続く騎乗。「気がいいタイプで、終いもしっかり。展開が向けば楽しみです」と上位進出を狙う。函館開催の締めくくりも、充実した夏を過ごすフルキチから目が離せない。(黒田栄一郎)
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