14日の京都11Rで行われた第50回
デイリー杯2歳ステークス(2歳オープン、GII、芝1600メートル、14頭立て、1着賞金=3600万円)は、
武豊騎手騎乗の2番人気
エアスピネル(牡、栗東・
笹田和秀厩舎)が差し切って快勝。無傷の2連勝で重賞初制覇を果たした。タイムは1分35秒9(稍重)。
人気2頭の争いとなったが、勝負はあっけないほど一瞬で決着した。1番人気の
シュウジをあっさりと差し切ったのは良血
エアスピネル。ライバルを全く問題にしない楽勝で無傷のV2を飾り、世代トップクラスの能力を強烈にアピールした。
レースは大外の
シュウジがやや気難しさをのぞかせながらもハナを切り、マイペースに持ち込む。
ノーブルマーズが2番手につけ、さらに
クラウンドジャックが続いた。
エアスピネルも好位集団の外めを追走してタイミングをうかがう。直線に向いても
シュウジはリードを保っていたが、余裕たっぷりの手応えで迫ってきた
エアスピネルがあっさりとかわして先頭へ。あとは突き放すばかりで、終わってみれば3馬身1/2差の完勝だった。
武豊騎手は現在あるJRAの平地GIレースで唯一勝っていないのが朝日杯フューチュリティSだけに、完全制覇に向けて大きく前進した形だ。
シュウジは2着を守り切り、さらに1/2馬身差の3着に7番人気の
ノーブルマーズが入っている。
エアスピネルは、父
キングカメハメハ、母
エアメサイア、母の父サンデーサイレンスという血統。北海道千歳市・社台ファームの生産馬で、(株)ラッキーフィールドの所有馬。通算成績は2戦2勝。重賞初勝利。
笹田和秀調教師は
デイリー杯2歳S初勝利。
武豊騎手は1989年
ヤマニングローバル、96年
シーキングザパール、98年
エイシンキャメロン、06年
オースミダイドウに次いで5勝目。
デビューから引退まで全レースで自身が手綱を取った母の産駒で重賞Vを飾った
武豊騎手は「完勝ですね。強いですね。レース前に馬が気負っていたので心配していましたが、レースは上手に走ってくれました。まだ2戦目なのに、外で早めに動いて、本当なら馬にはつらいんですが、この馬なので大丈夫かなと思いました。真っすぐ走るし、いい馬です。(直線も)いい伸びでした。(稍重馬場については)結果的に問題なかったです。次は朝日杯フューチュリティSに行くと思うんですが、僕は朝日杯が下手なジョッキーですので、乗せてもらえるかどうかが問題です(笑)。(
エアメサイアの子供で勝ったことについて)うれしいですね。初めて調教に乗ったときから、いいなと思っていましたから」とジョークを交えながらも平地GI完全制覇に向けて、手応え十分の口ぶりだった。
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