第44回
シンザン記念(10日、京都11R、GIII、3歳オープン国際、別定、芝・外1600メートル、1着本賞金3900万円=出走16頭)今年初の3歳重賞は、東に凱歌-。
朝日杯FS4着から挑んだ4番人気の
ガルボが、好位追走から直線で鋭く伸びて3馬身差の圧勝。関東初の
シンザン記念馬の誕生だ。
清水英克調教師(44)は開業5年目で重賞初制覇。1分34秒3(良)はレースレコード。9番人気のシャインが2着に逃げ粘り、3着が10番人気
セレスロンディーで3連単は23万馬券。1番人気のピサノユリシーズは11着完敗した。
12番人気だった
朝日杯FSで4着に入った実績はダテではなかった。明け3歳による今年初の重賞は、関東から遠征した
ガルボが鮮やかにさらっていった。
「朝日杯で騎乗していた吉田隼騎手に特徴を聞いて、レースビデオも見て臨みました。手応え通りの伸びで、本当に強かったですね」
暮れの
有馬記念では
ドリームジャーニーで優勝し、春秋
グランプリ男に輝いた
池添謙一騎手が、冴え渡る手綱さばきで初のGIII勝ちに導いた。それは、関東馬初の
シンザン記念制覇の瞬間でもあった。
マイペースで逃げるシャインを見据え、
ガルボは内ラチ沿いの4番手の絶好位で運ぶ。いつでも抜け出せそうな感触が手綱越しにビンビン伝わってくる。4角を回って池添が左ステッキ2発のGO
サインを出すと、矢のような鋭い末脚で楽々と3馬身も突き放していた。
「トモ(後肢)に緩さがあってこの強さ。まだ余裕もありました」と池添。44歳の若手トレーナー・
清水英克調教師は、開業5年目で念願のタイトルを獲得した。「一応、マイルで勝ったので
NHKマイル(5月9日、東京、GI、芝1600メートル)を目指そうと思いますが、血統的(父
マンハッタンカフェ)には距離ももちそうなので
皐月賞(4月18日、中山、GI、芝2000メートル)という選択肢も…」。夢の広がる強い勝ちっぷりに、トレーナーは感無量の表情を浮かべていた。(正木茂)