第32回
新潟2歳S(26日、新潟11R、GIII、2歳オープン国際(特指)、馬齢、芝・外1600メートル、1着本賞金3000万円=出走18頭)
松岡正海騎乗、3番人気の
ザラストロが後方待機から、直線で一気に弾けた。大外を豪快に駆け抜け、1分33秒5(良)のレコードタイムで、新潟2歳王者に輝いた。早めに抜け出した10番人気の
ノウレッジがアタマ差の2着に入り、1番人気の
メイショウオオゼキは4着だった。
日本一長い直線(659メートル)で豪脚をフルに発揮した。未勝利戦の勝ち馬で、5分の4の抽選を
クリアして挑んだ
ザラストロが快勝。タイム1分33秒5は、2002年ワナの記録をコンマ3秒更新するレコードだ。
「行ってしまうと引っ掛かるので、控えていった。直線に向いて『勝ち負け』と思ったし、何とか差せたよ」
10年
マイネイサベルに次ぐ、
新潟2歳S2勝目を挙げた
松岡正海騎手が、さわやかな笑顔で汗をぬぐう。新馬戦3着と未勝利戦1着は柴田善騎手が手綱を取り、松岡は初の実戦で結果を出したが、「新馬を使う前の追い切りに乗り、いい感じの馬と思っていたんだ」と明かす。道中は後方の15番手からレースを進め、直線で大外に持ち出して末脚を伸ばした。先に抜け出した
ノウレッジをアタマ差とらえてV。メンバー最速、上がり3ハロン33秒4の切れ味は潜在能力の高さの証明だ。
松岡は1月5日の京都金杯を
マイネルラクリマで制し、好スタートを切ったが、同日の最終12Rで落馬し、左足関節内果骨折。その後はリズムに乗れなかったが、約8カ月ぶりのJRA重賞Vは大きな弾みになる。
「今後につながったと思うし、流れに乗っていきたいね。来週(
新潟記念で
マイネイサベルに騎乗)も勝つよ」
武藤善則調教師は管理馬の勝利を札幌競馬場で見届けた。「未勝利の内容がすごくよかったし、2回使って体調は上向いていた。新潟の1600メートルならいい競馬ができると思った」と好勝負を確信していた。
「広いコースに向いているし、来年の春が楽しみ」と松岡が言えば、武藤師も「
朝日杯FS(12月16日、中山、GI、芝1600メートル)も考えないわけではないが、東京が合いそう」と期待を込める。夏の2歳王者に輝いた大器
ザラストロには輝かしい未来が待っている。 (森田実)