霧
にしのけいご
きいいろ
スガダイ
第31回新潟2歳ステークス(4日、新潟11R、GIII、2歳オープン、芝1600メートル、1着賞金3200万円=出走18頭)柴田善臣騎乗、4番人気のモンストールが快勝。直線で満を持して抜け出し、断然の1番人気に推されたジャスタウェイの追撃を余裕をもって振り切り、新潟2歳チャンピオンに輝いた。タイムは1分33秒8(良)。3着にはクイーンアルタミラが入り、2番人気のダローネガは4着だった。 強風を切り裂いて、抜群の瞬発力で馬場の真ん中を突き抜けた。新潟の2歳王者は、JRA育成馬のモンストール。中団待機から上がり3ハロン32秒7の末脚を繰り出し、レースレコードタイの1分33秒8で見事な戴冠だ。 「素直にうれしいですね。すごくリラックスして走ってくれて、ゴーサインを待っている感じだったので、自信を持って追い出しました」 会心の笑みを浮かべる柴田善臣騎手は、意外にも新潟2歳S初勝利。結果的にWIN5史上初の的中者ゼロを演出し、「きょうは最初のレースから荒れていたじゃん。買ったときには来ないくせに、と言われないようにしないとね」と苦笑いだが、今週末に控えるフランス遠征(11日のGIIニエル賞でナカヤマナイトに騎乗予定)に向けて弾みがついたのは間違いない。 管理する尾関知人調教師は、開業3年目でのうれしい重賞初Vとなった。愛馬との出会いは今年4月に行われたJRAブリーズアップセールで、「時計は目立たなかったけど、いいなと思った」とアドマイヤマックス産駒にひと目惚れ。取引価格は871万5000円(税込み)と決して高額ではなかったが、期待通りの走りに感無量だ。 39歳の新鋭トレーナーは、夏の平地重賞での関東馬全敗も阻止した。「自分には経験がないし、関西から強い馬もやってくる。攻めていかないといけないと思った」と7月16日の新馬勝ち後も、愛馬を鍛えるためハードな調教を課してきた。馬体重こそ変動はなかったが、中身の面でのレベルアップが、強烈な末脚につながった。 「大事にしていけば、かなりいいところまでいける馬だと思います」とヨシトミも絶賛するモンストールの大目標は、2歳王者決定戦の朝日杯FS(12月18日、中山、GI、芝1600メートル)。ステップは未定だが、パワーとセンスを兼備した新潟チャンプは、秋にはさらに成長した姿を見せてくれるはずだ。(越智健一)