富士Sが23日、東京競馬場で17頭によって争われ、池添騎乗の1番人気
ソングラインが、中団から力強く抜け出して重賞初制覇を飾った。3歳牝馬によるVは1999年
レッドチリペッパー以来2頭目となる。この勝利で
マイルCS(11月21日、GI、阪神、芝1600メートル)への優先出走権を獲得したが、次走は未定。2着は9番人気
サトノウィザード。10番人気
タイムトゥヘヴンが3着に入った。
得意の府中芝マイルで勝利は譲れない。
NHKマイルC2着の3歳牝馬
ソングラインが、自慢の末脚で年長馬を一蹴。1番人気に応えて重賞初制覇を飾った。コンビ4戦目で、初めてVをつかんだ池添騎手は安堵(あんど)の表情を浮かべた。
「ようやく重賞を一緒に取ることができてホッとしています。返し馬では前走の
関屋記念(3着)より状態が良く感じた。この舞台はこの馬が得意とするところ。古馬相手でも負けられないと思っていました」
最内枠からやや出負け気味のスタートだったが、二の脚を利かせてすぐに中団に取りついた。直線に向いての手応えは抜群で「いつスパートしようかと思ったくらい」と鞍上。先頭に立ってからフワッとして2着馬
サトノウィザードに詰め寄られたが、残り1ハロンから抜け出す際の加速力は段違いだった。
古馬初対戦だった
関屋記念での3着敗戦も無駄ではなかった。「最内枠で好結果が出せたのは前回の厳しいレースの経験と池添騎手が一戦一戦、競馬を教えてくれたおかげです」と林調教師。育ち盛りの3歳らしい吸収力で、どんどん強さが増している。
夏に続き、現3歳の勢いは秋もすごい。
スプリンターズSの
ピクシーナイト、
毎日王冠の
シュネルマイスターに続く年長馬撃破だ。次走は未定だが、
ソングラインも強い3歳世代の一角として、今後のマイル戦線を盛り上げる。(板津雄志)
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ソングライン 父
キズナ、母ルミナスパレード、母の父
シンボリクリスエス。青鹿毛の牝3歳。美浦・
林徹厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。戦績7戦3勝。獲得賞金1億4131万8000円。重賞は初勝利。
富士Sは
林徹調教師、
池添謙一騎手ともに初勝利。馬名は「オーストラリアに伝わる道の名。祖先の足跡」。