佐藤洋一郎
mihimalist
くりーく
蒼馬久一郎
第38回小倉2歳ステークス(2日、小倉11R、GIII、2歳オープン国際(特指)、馬齢、芝1200メートル、1着本賞金3100万円=出走14頭)武豊騎乗で3番人気のファンタジストが、好位から抜け出して重賞初制覇を飾った。タイム1分8秒9(良)。今後は朝日杯FS(12月16日、阪神、GI、芝1600メートル)が目標となる。武豊騎手はJRA通算4000勝にあと5勝とした。13番人気のアズマヘリテージが2着、9番人気のミヤジシルフィードが3着で、3連複と3連単はレース史上最高配当となった。 夏のフィナーレでレジェンドが魅せた。好位から堂々と抜け出したファンタジストが、無傷の2連勝で重賞初制覇。昨年のアサクサゲンキに続く連覇を決めた武豊騎手が爽やかな笑顔を見せた。 「完勝でしたね。厩舎が完璧に仕上げてくれたので、自信を持っていきました」 五分のスタートを決めて、スッと外め3番手の絶好位をキープ。「思ったより周りが行かなかったので、楽に先行できました」。道中はリズムよく進み、抑えきれない手応えで直線へ。馬場の真ん中に持ち出すと、鋭い伸び脚を披露し、悠々と1馬身3/4差をつけた。 見届けた梅田調教師も「着差以上に内容は完勝だね」と満足顔。余裕残しの仕上げで臨んだ新馬戦を勝利し、中6週の中間はじっくりと鍛え込んだ。16キロ増の数字が示す通り、パワーアップに成功。ジョッキーは「馬体は随分よくなっていました」と成長を実感。トレーナーも「攻めたぶんが実になっている。攻め馬の動きならこの時期のレッツゴードンキより絶対上」と、2015年の桜花賞馬を引き合いに出すほど。 土曜に3勝した武豊騎手は、この日は2勝。前人未到のJRA通算4000勝にあと5勝とし、偉業達成を視界にとらえた。「一日でも早く達成できるように頑張っていきたい」と意気込む。今週は土曜・中山、日曜・阪神を予定している。 ファンタジストは今後、朝日杯FSを目標にローテが組まれる。「距離が延びてもやれると思うし、非常に楽しみです」と名手は胸を躍らせる。小倉の2歳王者が、頂上を目指してノンストップで突き進む。 (斉藤弘樹)★2日小倉11R「小倉2歳S」の着順&払戻金はこちらファンタジスト 父ロードカナロア、母ディープインアスク、母の父ディープインパクト。黒鹿毛の牡2歳。栗東・梅田智之厩舎所属。北海道日高町・Shall Farmの生産馬。馬主は廣崎利洋氏。戦績2戦2勝。獲得賞金3850万4000円。重賞初勝利。小倉2歳Sは梅田智之調教師が初勝利、武豊騎手は2005年アルーリングボイス、17年アサクサゲンキに次いで3勝目。馬名は「夢想家」。