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エンプレス杯は、数ある牝馬限定の交流重賞のなかでも、今回が62回目ともっとも歴史があり、古馬牝馬路線では最長距離の川崎2100mの舞台で行われます。また、この時期はこれまでの実績馬が引退し、出走枠が空くために、JRAから条件クラスの馬やオープン馬が新規参戦してきます。よって主な対戦図式は、TCK女王盃に出走していた実績馬vsJRAからの新規参戦組。当然、女王クラスの引退やJRAからの新規参戦組のメンバー次第では地方勢にもチャンスがあるでしょう。
地方勢でも2007年の勝ち馬トーセンジョウオーのように、これまでの交流重賞で連対実績のある馬が出走してくれば、当然、順当に狙えます。しかし、穴どころは今回が川崎2100mが舞台ということもあり、地方の3歳牝馬最強クラスが集結するロジータ記念の勝ち馬です。2009年に6番人気で連対したシスターエレキング、2014年に3番人気で連対したエミーズパラダイスともに、前年のロジータ記念を3コーナー先頭で勝利した馬でした。
川崎2100mは、前が残っているように見えても、実は強くなければ逃げ切るのがなかなか難しい舞台設定。3コーナー先頭などの早仕掛けでロジータ記念を制した馬は、昨年のノットオーソリティのように、4歳時は人気以上の活躍が見られます。それにはもちろん軽斤量で出走できることが後押ししているのですが、このことは他でも使えるので、覚えておいて損はないでしょう。
逆にJRA勢は、このレースでどのような馬が活躍しているかというと、前走のTCK女王盃で3着以内の馬が圧倒的。前記のトーセンジョウオーも、2011年の勝ち馬ラヴェリータも、2013年のミラクルレジェンドも、2014年の勝ち馬ワイルドフラッパーも、前走のTCK女王盃の連対馬でした。(2012年は開催中止)、また、2011年はTCK女王盃の1-3着馬が揃って出走し、このレースでも1-3着を独占したこともありました。勝ち負けを狙うのであれば、前走のTCK女王盃で2着以内は欲しいところですが、2-3着候補ならな3着以内の実績があれば十分でしょう。
ただし、今年は前走でTCK女王盃に出走していれば、まず、勝ち負けしていたはずのアムールブリエが出走してきます。アムールブリエは前走の川崎記念で3着。川崎記念からここへ転戦してくる馬は滅多にいませんが、実は…南関東勢が今よりも強かった2003年に船橋のジーナフォンテンが前走・川崎記念3着からここへ転戦して、堂々のVを飾っています。
もっとわかりやすいところで、牡馬相手の川崎記念、帝王賞、東京大賞典でも勝ち負けしていた名牝ファストフレンドは、牝馬限定の交流重賞に出走した場合には、トップハンデを背負わされようとも勝ち続けました。かつてよりも牡馬と牝馬の能力差が狭まっているとはいえ、牡馬一線級が相手のG1と牝馬が相手のG2では、大きなレベル差があります。ここはかなり信頼できるでしょう。
また、前走JRAの準オープンの勝ち馬も、今回出走するアムールブリエの昨年度の戦績を見れば一目瞭然のように活躍しています。ちょっと前まではJRAでオープン入りを果たすと、JRAの正統派路線を歩むことが多く、2009年の勝ち馬ニシノナースコールのように、牡馬一線級相手にしっかり土をつけられてからようやくこの路線に目を向けてくるのが通常でした。
しかし、近年はこの路線がしっかりと整備されたことや牡馬相手の重賞と牝馬限定の重賞ではレベル差があることが表面化され、前走でJRAの準オープンを勝つと、ここへすぐに目先を変えてくることが多くなりました。それが昨年のアムールブリエです。近年は牝馬のトップクラスも底上げしているので、けっして勢いで突破できるほど甘くもありませんが、JRAの準オープンと牝馬限定の交流重賞とでは大きなレベル差はないので、出走していればとりあえず、買っておく」というスタイルで良さそうです。
まとめるとこうなります!
1着候補→前走の川崎記念で3着以内の馬。前走のTCK女王盃連対馬。前走JRAの準オープン勝ちの馬。
2着候補→前走のTCK女王盃3着以内の馬。
3着候補→前走のTCK女王盃3着以内の馬。前走準オープン連対馬。前走1000万下勝ちの馬。
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